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トム・リポート 6(創作)

ブレスト



(M)A.D.1975/6/xx
(C)A.D.2002/6/xx
海底都市ネオ・ノーチラス サイボーグ研究所 所属
ビクトリー計画 素材研究班 スーパーミクロンチーム
チーフ M-109X トム


 ブレストが着脱可能なタイプのミクロマンでの解説となるが、ブレスト未装着時のミクロマンは、不思議な一致ではあるが地球人類と外見上の差はほとんど認められない。能力的にもほとんど変わりは無くダウンサイジングされただけである。しかし、ブレストを装着(セットアップ)すると、我々自身にも理解を超える能力が使用可能となる。現在の解明状況から言えることは、これがミクロアース人の開発した、能力強化機能である。という事であろう。個体の生命の維持、個体の能力強化、特に五感外に対しての能力向上を目指したもののようである。細分すると以下の機能となる。

個体の生命維持機能

@集光子装置(対象:装着者)

光子の吸収・蓄積・変換、装着者への各種エネルギーの供給。
A身体コーティング睡眠

身体と体内時計を凍結するスリープモード。


 @に関しては我々自身が無意識のうちに実現している事であるが、この実現には光子力学と能力強化機能Fの分子分解・結合の機能も関係していると思われる。Aについてはカプセル内での状態でもあるが、意識することによりブレストから何らかの物質が発生し身体をコーティングし凍結睡眠モードとなるようである。カプセル内と違い意識はある。これは地球人類からのカモフラージュとしても使われる。



能力強化機能

B重・圧力の制御

浮遊・瞬間移動(テレポーテーションと言うよりは超加速移動)・観念動力(サンキネンス)・重量物移動・真空中活動・深海活動

C五感外認識制御

透視・意識転送・遠隔コミュニケーション(テレパシー)。
Dブレスト種別付加機能

ブレスト種による各種能力別強化。

   ウェーブ・ブレスト
液体内活動補助(特に水中活動技術の向上)

例)装着者は水深1000m、水圧200気圧に耐える。更にコスモウィング等のプラス装備で飛行技術の向上も可能。

   デルタ・ブレスト
気体内活動補助(特に飛行技術の向上)

例)ジャイロットをミクロマッハ20(音速の200倍)で飛行可。

   メーター・ブレスト
接地面活動補助(特に走行技術の向上)

例)ホットローダーを時速10000km/hで走行可。

   パネル・ブレスト
機動機種の出力補助(高出力で稼動させる技術の向上)

例)ビームトリプラーを50万馬力で稼働可。

E神経伝達制御装置

上記、動作・認識の高速処理。(地球人類の数10倍とされる)
(コンピューター制御装置、またはナーブ制御装置とも言う。)


F分子分解・結合装置

各種携帯装備の分子結合による実体化。

G集光子装置(対象:任意装置)

任意の機動機種(ミクロ・マシーン等)へのエネルギーの供給。


 B、C、Dについては、意識することで実現できる点で実証はできるが理論は不明である。だがその個体(装着者)の練度により能力に差が生じる事も実証できている。推測ではあるがこの機能に関してはミクロアース人が開発した時点でも、これを使いこなせるミクロアース人は特殊な者のみだったと考えられる。今、我々ミクロマンがある程度使いこなせるのは装着状態が長く、対応できるように体のほうが進化したからだと言えるのではないだろうか。地球の言葉で言うと我々は”超能力者”といえる。しかしながら、全てのミクロマンがこの機能を使いこなせるはずも無く練度の格差を考慮し、移動・通信については補助装置(乗物・通信機等)が必要となる。Eに関してはB、C、Dの能力を最大限実現する為の光子による伝達技術を利用し補助装置としている。Fはカプセルの活動支援ツール作成装置の小型版で、Gは集光子装置の第2の機能である。

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@集光子装置(対象:装着者)
(G集光子装置(対象:任意装置))


 大水晶体から、または直接1/1000ルクスまでの光(光子352.453MHzのみ)を吸収し、我々の身体が必要とするエネルギー(酸素、各種タンパク質等)に変換し、皮膚を透過し各内臓器官に供給・除去している。この変換にはFの分子分解・結合装置も連動していると思われる。その為、光のある環境では酸欠・餓死は無く、光の無い環境であれば呼吸・飲食が必要となる。このシステムが生命維持機能であり寿命を左右するものではない。種の保存の意味でいえば、カプセルがその役目を果たしている。また、エネルギーをチャージ(蓄積)する事もできる。この装置のもう一つの機能としてチャージしたエネルギーをブレスト装着者の接触している装置(各種機動機種)へのエネルギーの供給も行える。

A身体コーティング睡眠

 本来はカプセルにセットされている間の状態で、ブレストより発生する何らかの物質により全身をコーティングさせ身体と体内時計を凍結する、いわば冷凍睡眠モードである。但し、カプセル外では任意に行うことができ意識もある。これは、カモフラージュ等に使用される場合が多い。

B重・圧力の制御

 この能力は、脳が意識してからブレストが反応し作用するようである。地球人類が水中に潜るときに意識して息を止めるような具合で、意識することにより、ブレストから我々では観測することの出来ない何らかの物質を放出し身体を包み込み、"それ"により身体を重力の作用の外に置いて重力に対抗しているとも推測できるし、"それ"により重力に対抗できる加速を得ているとも推測される。圧力に対しても同様で、"それ"により外圧に対抗しているものと推測される。更に"それ"を応用すると対象物への干渉も可能で、重力・圧力を制御し対象物を縮小(ミクロ化)することができる。これは、重力縮退(核融合)を起こさせ可能としている。そのサイズは理論上、自在でこれに伴う発生エネルギーは"それ"により押さえ込まれている。当然ながら体積は減るものの質量は変化しない。そこで重力の加減速能力で縮尺に見合うよう加速度の加減を調整し固定する。そうすることで重量物の移動に利用する。これには、光子エネルギーを大量消費するために複数名で行うのが一般的だ。これを行った場合は必ず復元する必要がある。
 また、生物への使用も可能だが内包エネルギーによる爆縮の危険が伴う生物が放置される可能性がある為タブーとされている。今までの記述で"それ"という表現をしてきたが、この縮小という行為を行うと重力縮退による放出エネルギーが押さえ込まれる際に、発光現象が起こる。"それ"が唯一目に見える現象で、この現象から"それ"を便宜上"ミクロ・ブレスト光線"とよぶ。これらについては、今後の研究に期待する部分が大である。


C五感外認識制御

 これに関しては完全な調査不足である。発生の概要、理論等、全く不明な点ばかりであり、何一つ解明にいたっていない。しかし、この現象を起こす為には練度が必要という事は、体感をもって理解できている。特に救助・救援の要請の感覚には敏感に反応するようである。これらも今後の研究に頼らざるを得ない。

Dブレスト種別付加機能

 当初、ジョージらの報告書から色により能力差を表現していたが、調査により型による能力差が確認された。これらは4種に分類されている。更に体内内蔵タイプのブレストにも特色があると思われるが着脱不可能な為テストができず現在は不明である。更なる調査が必要である。

E神経伝達制御装置

 B、C、Dの能力実現の為の補助装置で光子による高速伝達を可能としている。この為、超常的な動作・認知等が容易に行える。

F分子分解・結合装置

 この能力は、カプセル機能の活動支援ツール作成装置の小型版で携帯装備の結合・分解を行うもので登録されている装備を実体化できる。登録には一度分解することで行える。カプセルと違いデータ容量が少なく小型の物のみの登録しかできない。但し、初期状態で登録されていた物は全てが巨大で当初はミクロ化して利用していた。今に至ってはデータのみを利用し我々サイズの装備を登録している。
  しかし、今後この装置は兵器としての運用を期待されていて研究が進めば近い将来、分子分解兵器として実用化されるであろう。


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