No.00001800

トム・リポート 7(創作)

カプセル



(M)A.D.1975/7/xx
(C)A.D.2002/7/xx
海底都市ネオ・ノーチラス サイボーグ研究所 所属
ビクトリー計画 素材研究班 スーパーミクロンチーム
チーフ M-109X トム


 ミクロアース人をミクロマンへと進化させたのがこのカプセルである。目的は"種の保存"であると断言できる。このカプセルはミニコンピューター(通称:ミクロム1000)により管理運営されている。ミクロム1000の管理下で5系統の機関からなる。下記ナンバリングは、ジョージらの報告書より引用。N、Oは新たに分類し命名したものである。


Eミニコンピューター(ミクロム1000)

カプセルシステムの運営
1.
種の保存管理
生物としての種の保存を管理。
Aナーブ制御装置
装填者との通信。
NDNA 管理装置
装填者の進化等の管理。
O生命維持装置

装填者の生命の維持。ブレストと同様の装置

2.
活動支援管理
カプセル解除者への活動支援ツール作成。
G分子分解結合装置

支援物資・装置(食料・資材・車両等)の作成。

3.
カプセル管理
カプセルの自己運営。
H受信機
外部との通信。
I送信機
外部との通信。
Dスーパービジョン

外部とのコミュニケーションモニター。

4.
カプセル防御機能
自己防衛の機能。
B加逆装置(加速装置)
自己座標の確保。
K半(反)重力パネル
自己座標の確保。
Lバリアー発生バルブ

物理的障害物の防御。

5.
エネルギー管理
必要エネルギーの確保。
@集光子装置
エネルギー源の収集。
F光子装置
エネルギーの分別。
C光子エネルギー転化装置
光子からエネルギー物質を抽出。
Mエネルギー転化装置
各機関が使用できるエネルギーへの変換。
Jエネルギータンク
チャージしたエネルギーの貯蔵。


 一般的にミクロマンの生命維持機能といえばブレストだと思われているが、実はカプセルである。しかし、これも間違いであり正しくもある。なぜならば、この2つはそれぞれに機能が違いながら共に生物としての維持を行っているからである。この”生命維持機能”と言う表現が地球人類とのコミュニケーションにおいて、混乱を招いている事もやむを得ないと言える。この"種の保存システム"は、ミクロアース人が装填された時点からDNAの寿命のカウントを止め、解除時に再スタートさせる。また、解除の意志(今回はスペクトルMX光線による。)が働いた瞬間にDNA管理装置に蓄積されたDNA変更プログラムが作動しその環境に合った身体にまで作り変えるものである。要は瞬時に進化を行うシステムである。

 更に、特筆すべきは解除後にその環境で生存を継続させる為の活動支援用の食料・物資・車両等を分子分解・結合により作り出すことができるのである。基本的には登録された物のみが作り出せる。しかし、実体化する品々は全て巨大で地球人類サイズなのである。その為各種機動機種もミクロブレスト光線で縮小して使用しなければならなかった。その為、危険度が高くミクロマシーン・コスモカー以降はデータのみを参考にしてマシン作成を行っている。この技術に関しても未解明の部分が大半で祖先であるミクロアース人の文明の高さを思い知らされる。解明には今しばらく時間が必要である。今後の研究を待たれる。更に、実体化する品々の大きさにこそ我々ミクロアース人の過去が隠されているものと確信できる。この研究も誰かが進めなくてはならない。

 他は、カプセルの自己運営の機能であるが、ブレストと同様の機能も含まれている。これは、ブレスト未装着者への対応の為でもあったようだ。

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