No.00001900

トム・リポート 8(創作)

超合金SM製ミクロ円盤UFO完成



(M)A.D.1975/8/xx
(C)A.D.2002/8/xx
海底都市ネオ・ノーチラス サイボーグ研究所 所属
ビクトリー計画 素材研究班 スーパーミクロンチーム
チーフ M-109X トム


 ブレスト・カプセルの再調査にヒントがあった。"進化"である。スーパーミクロマンらのSMは元々、ミクロアース人からの進化であるのだ。であれば、「ミクロアース人に類似点の多い地球人類を同条件で進化させるとSM人類になる」はずである。この定義から開発を進める事となった。これを機に設計が完成した「ミクロ円盤UFO製造班」も取り込み研究を再スタートさせた。

 まずは、進化を実行させるカプセルの手配であった。我々ミクロマンにとってカプセルはブレスト同様ミクロアース人が与えてくれた命同様の重要なアイテムであるのでスーパーミクロマンらからの入手は困難と言えた。私自身のカプセルの使用はやぶさかではないがSMに進化する為のDNAデータが無い。

 そこで私のカプセルを使用しNDNA 管理装置からのデータの抽出実験を行い、これに成功した。更に、それを再インストールすることにも成功した。但し、データの内容は解明できず。しかしこれで、危険を伴わずに実験の為のカプセルが確保できる事がわかった。

 インストールの為のカプセルデータを手に入れるために、最近、同研究所に「サイボーグ・ロボット」の運用サポートの為に派遣されたM-210コナーに相談を持ちかけた。彼は、快く受け入れてくれSMのDNAデータを手に入れることができた。

 SMのDNAデータを私のカプセルへのインストールが完了。あとはサンプル生物である。地球人類そのものを実験に使えるはずも無く、類人猿の細胞でテストを始めた。テスト結果は良好でSMとは違うが同様の金属物質を細胞にまとったものが確認された。これは実用化には向かないが人類の細胞からのテストへの移行を促すものであった。

 実験結果を片貝博士に手渡し実験用サンプル細胞の提供を依頼した。まもなく以来の細胞が届いた。成長の速度が速いという事で、子供の物を用意してくれた。サンプルケースには"Kazuya"と書かれていた。彼のおかげで未来が開かれれば、おのずと彼の幸せにもつながるはずである。

 このテスト結果は我々を歓喜させた。予想以上の結果だったのである。これではまるで、ミクロアース人とは地球人類そのものではないか。と思えるものであった。しかし今回はその調査は別の者に任せSM製ミクロ円盤UFOの完成を急いだ。

 この細胞に形状を記憶させる為、DNA操作を行い後天的にプログラムにより形状を変更できるようにした。実験の成功により完成した細胞を"SMソース"と命名した。

 次に、ミクロ円盤UFOの装甲板のサイズに合わせカプセルの大型化が必要であった。私は覚悟を決めざるを得なかった。自らのカプセルの分解に踏み切った。新たなカプセルは今の我々の技術では作り出すことができない。であれば、システムはそのままに外枠だけを大型化する事で解決しようとした。失敗すれば私はカプセルを失う。次に巨大な危機が迫っても生き延びることは不可能となってしまう。しかし、私達を蘇生させる為に命を差し出した仲間のベンも同じ気持ちだったに違いない。今すぐ私が消滅するわけでもないのだ。彼よりは幸福だ。覚悟を決めた。

大型カプセルが完成した。

 プログラムを光子に乗せてSMソースに照射。ミクロ円盤UFOの形状を記憶させ大型カプセルに装填。進化をスタートさせた。カプセル解除し完成を確認。金属の色はコナーと同色の赤であった。

ミクロ円盤UFOの試作機の完成を待ちSMの装甲版を取り付け、テスト飛行、耐久テストにも合格。

 しかし、この機体には最大の弱点があった。SM装甲版の生命維持が必要で常にブレスト装着者、またはカプセルからのエネルギーの供給を受けなければならないことであった。これは駐機場にパイロットのカプセルを配置することで解決した。

5ヵ月に及ぶ開発が完了した。

 今後の為に、コナーの増援の為に同研究所に来ていたスーパーミクロマンのケン、キムにもカプセルのDNAデータのバックアップを頼み実験したところ、キムのデータではメタリックブルー。ケンのデータからはゴールドの装甲版ができあがった。しかし、ケンのデータでは2回目以降は進化をせずに、この1機のミクロ円盤UFOを完成させたまま、2機目の完成は無かった。理由は今後の研究待ちとなる。その為、ミクロ円盤UFOの量産はコナーのデータとキムのデータで行われる事で決定し、量産作戦は他のチームが担うこととなった。

これにて、我々素材研究班SMチームは解散とする。




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