No.00002400

トム・リポート 11(創作)
<極秘>

M-109 ジェリー発見



(M)A.D.1975/10/xx
(C)A.D.2002/10/xx
海底都市ネオ・ノーチラス サイボーグ研究所 所属
ビクトリー計画 サイボーグ・ロボット開発チーム
サポート M-109X トム



事態は突然動いた。宇宙人・アクロイヤー連合の侵攻が始まったのだ。数から言うと決戦の様相である。我々ミクロマンからも援軍が到着。敵機がスクリーンに映し出されたとき私の中に稲妻が走った。なんと、サイボーグ円盤99の大群であった。予想もしなかった出来事に全ての時間が止まった。すぐに我に返って思いを廻らせた。

「やはりアクロイヤーに強奪されていたのか!では、ジェリーは人質に?なんてことだ!どうやって?」

自問自答する私に、救助を求める時の感じで強烈な遠隔コミュニケーションが割り込んできた。たぶん私個人に対してだけのものであろう。それは、人質となったジェリーからであった。驚いたことに内容は以下であった。


@我々を生かしてくれたミクロアース人の願いは種の保存である。
Aお前たちのやろうとしていることは自己犠牲や他の生物との共存。
Bそれはミクロアース人の意志に反している。
C弱肉強食の世界を構築し我々がその頂点に立たなくては先祖のミクロアース人の意志に逆らっている。
D不本意だが頂点に立とうとしないミクロマンに種の保存の意志はないと判断した。
Eそんなミクロマンに存在意義はない。我々の手で絶滅させるのみ。


彼のイメージ映像も確認できた。濃緑色のアクロイヤーであった。

なんてことだ。蘇生後にアクロイヤー化するのか。そんなことがあるのか?私はジョージらの報告書を思い出した。「洗脳によりアクロイヤーも仲間に・・・。」その逆も有り得たのか!

更に、彼の意識を読むとこのような事実だった。


@自分の思いを開放すると体が楽になり意志の赴くままに行動した。
Aサイボーグ円盤99の強奪。
Bブルースターを通じ宇宙人ゾーンへの譲渡。
C宇宙人ゼロスによるコクピット部の宇宙人専用への換装。
D量産化技術の提供、名称も「UFO−7」へ。


愕然としたが既に事は進んでいる。この状態に驚いているのは私以外には片貝博士とダゴン司令と元SMチームであろう。コナーへは戦闘の支持を表明。戦闘開始となった。決戦ともあって、激しい攻防が続いたが、サイボーグチームとロボットマンの運用の妙、ミクロ円盤UFOの光子爆弾が功を奏し宇宙人は壊滅。アクロイヤーも撃退に成功。

しかし、この戦闘において問題点も発見された。光子爆弾である。これが、宇宙人には有効だったがアクロイヤーには通用しなかったのである。理由はこれからの研究課題である。



これにて、M-109ジェリーの捜索を終了とし、この件はこの報告で終了とする。

本日より彼は、PCB(the Person who Changed a Birthday:生まれ変わった人物)スターと命名されアクロイヤーと認識された。

彼と、いつかミクロマンとして再会できる日が来るだろうか。ジョージの報告書がよみがえる。「悪徳能力が消え・・・仲間に・・・」あれを悪徳能力というのだろうか。なぜ、救助を求める時の感じだったのだろうか。あの感覚は二度と消えない記憶となるだろう。


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