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トム・リポート 12(創作)

スーパーミクロン・サイボーグ開発



(M)A.D.1976/1/xx
(C)A.D.2003/1/xx
海底都市ネオ・ノーチラス サイボーグ研究所 所属
研究員 M-109X トム



 宇宙人・アクロイヤー連合の撃退から2ヵ月あまりが立った。その後は平和が続いている。現在、私はサイボーグ研からの撤収を決めた本部の意に反して、自由意志で元司令のダゴンらと共にここで一研究員としての残留を希望した。

 ダゴンらはサイボーグの変身能力に興味を持ち4人のチームで研究を進めている。私は、アクロイヤーに有効な兵器をSMを用いて開発する為に残留を決めた。その兵器とは。我々ミクロマンのアクロイヤー化による人員数の反比例現象を予見し、サイボーグ技術を駆使した「メカ・ミクロマン」の開発であった。要はロボット兵である。

 サイボーグチームとの相違点は、我々ミクロマンの細胞組織が他の組織との結合を完全に拒絶すること。この為、サイボーグ達のように移植や脳培養によるサイボーグは製造できないのである。そこで、この「メカ・ミクロマン」となった。あくまでも私個人の意志での開発であり、本部の意向は問うていない。既に試作機は完成している。外見は最後にカプセルのDNAデータをバックアップしたカリーをベースにSMソースに形状を記憶させスーパーミクロンのボディーとし、内部はサイボーグらの構造をベースに開発を進めたものであった。あとは頭脳であるプログラムの作成と最後の問題点の解決であった。その問題点とはSMボディーの生命維持であった。この解決には時間を要するであろう事は想像できた。現在は私の大型カプセルにより生命維持を行っている状況である。

 そんな時、あちらからの客人がミクロ円盤UFOとミクロセスナに乗って訪れた。名はジャックとジョン。彼らは本部には合流せず自由意志でチームを組み行動しているという事であった。私と同様、行動を制限されるのが嫌いなタイプのようであった。彼らは、本部にアクロイヤーの"すごい超能力(巨大化能力)"の情報を持ち込み騒然とさせた。その情報の見返りに独立行動を認めさせ、更に戦闘機動機種(戦闘マシーン)の供給を約束させた。早速、カプセルに分子分解登録をし、持ち出してきたのだそうだ。その際、現在はあちらで任務を行っているロボットマンも要請したそうだが、1機しかないロボットマンを提供することもできず、クリスタルの情報を入手しそれを手に入れるためにこちらに足を向けたのだそうだ。しかし、こちらとしても開発データ取得に使用した機体を譲渡する訳にもゆかず、設計資料の持ち出しで納得してもらった。いずれにしてもジャックという人物は熱血漢なミクロマンであった。それと正反対のジョンという人物も冷静沈着な研究家であった。彼は、私の「メカ・ミクロマン」にも興味を持ったようで質問攻めにあった。

 一通りの問答が終わり、彼らは分子分解の対象にならなかったミクロ円盤UFOとミクロセスナで元の世界へ戻っていった。そう、あの戦闘から調査の結果、我々ミクロマンいや、アクロイヤーもであるが分子分解ができないことが判明したのである。その為、SMボディーのミクロ円盤UFOとミクロセスナは分子分解登録ができなかったのである。これは、ミクロアース人による制御なのか、生命の分解は不可能だったのかは不明のままである。SMの運用の難しさがここでも露呈した。責任を感じずにはいられなかった。





















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