No.00002950

トム・リポートU 3(創作)

建設作業専用ミニ・ロボットマン開発



(M)A.D.1976/12/xx
(C)A.D.2003/12/xx
秘密基地アースステーション建造チーム
M-109X トム

 本部のM-104ジョンより「建設作業専用ミニ・ロボットマン」の開発依頼が2ヶ月前に届いた。私とM-113ボビーもこれを予想し試作はほぼ出来上がっていた。なぜならば!私たちが使っているこの「アースステーション基地」の建造が非常に遅れているからなのだ。と言うより遅過ぎるのである。ミニ・ロボットマン用のプラントは最優先で建造されたものの、他の部分は人手不足を理由に遅れているという事なのだ。あれだけのミニ・ロボットマンが量産され、戦闘にも他の作戦にも人手を割かなくて済むようになったと思うのだが、この建造現場にも確かに人員は少ない。いや少なすぎる。本気で完成させようとしているのかさえ怪しいと思っていた。


 そこに今回の依頼であった。私の疑問は払拭された。その時には既にボビーは現場に復帰していた。ジョンの指令を伝えに来たのはMG-502ドン、MG-503パンチョであった。彼らは「フライトバード」開発者のボビーに会えない事を残念がっていた。彼らは「建設作業専用ミニ・ロボットマン」の開発をサポートする為に来たという。人手不足の割には気の利いた事をするものだ。と皮肉ったが彼らが言うには完成・量産をかなり急いでいたのだ。理由は彼らも知らなかった。この基地の建造率を見ても早く必要なのは理解できる。


 そこで、まず技術系を自負しているドンに現在試作の上がっている2体の「作業用ミニ・ロボットマン」の概要を説明した。すると、ドンから以下の要望が上がった。


  @低い位置の作業を効率よく行えるように脚部の低いオプションが欲しい。
  A腕部は、土木、建設、電気系統等、基地建設に必要な専用アームのオプションが欲しい。
  B頭部も「ミクロロボット1」のような作業効率の良い低いタイプにして欲しい。
  C上記を全て、「ブレスト・システム・L1」に登録し、瞬時に換装できるようにする。


 と言う事であった。まるで・・・ ミニ・ロボットマンを実際に基地建造に従事させ、問題点を既に見つけて来たような要望であった。開発者としての鼻がそう感じていた。がしかし、それはそれとして、「急ぐ」という事である。2機の試作機を私と、ドン・パンチョの2チームに分けそれぞれで最終調整に入る事とした。




 そして、本日3機の「建設作業専用ミニ・ロボットマン」が完成した。がしかし、既に外観がミニ・ロボットマンとは呼べない姿だったので名称も改めた。


R-521 メカドン 建設作業全般をこなす。主に重機的運用に適している。手足はオプションによりミニ・ロボットマンタイプを選択可能だが戦闘能力は持たせていない。装備はミニ・ロボットマンと同様。腕部は数十種のオプションへ「ブレスト・システム・L1」により換装可能。ミクロマン・ジーグのドン、パンチョにより完成。ちなみに頭部と名称はドン、パンチョの・・・趣味による。

R-531 ミニロボQ ブラック 基本的には「メカドン」と同等の能力を持つ。違いは精密作業能力を高めている。「メカドン」が「土木建設」に対し、こちらは「内装設備専門」というところである。「Qブラック」は両手足オプションをミニ・ロボットマンタイプへ換装した場合、戦闘もこなす。特に腕を使う接近戦闘に特化。

R-532 ミニロボQ ホワイト 予定外だったが必要性を感じ急遽製造が決定。基本的には「Qブラック」と同様だが違いは指揮能力を付加している点である。「現場監督」である。「Qホワイト」も両手足オプションをミニ・ロボットマンタイプへ換装した場合、戦闘もこなす。特に足を使う接近戦闘に特化。



※「R-5XX」はIDナンバーではなく機体種別である。量産後も全ての機体がこのナンバーとなる。他の仕様が開発された場合はR-5XX〜と続く。


 次は早速、量産体制である。ドン、パンチョは即現場に復帰。量産はひと月もあれば数百単位が可能である。これで、「アースステーション」も一気に完成となるであろう。地球防衛の要である。完成を急がなければならない。






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