No.00020040


発行:浪曼堂
編集:ミクロマン補完委員会


ZERO-ZERO-PAPER VOL.1

ミクロマンコマンド1号(パンフレット)

解説

 それまでのミクロマンは「宇宙」「未来」といったキーワードを基盤に世界観を構築していたが「ミクロマンコマンド」では、この世界観にモアイとかナスカの地上絵など古代遺跡の謎を導入している。これによりミクロマンは宇宙の謎と古代の謎がリンクした深みのある世界観の獲得に成功している。

 企画の当初は、古代遺跡の形をした発泡製のケースの中に人形が入っており、それを子供たちが削りだし、ミクロマンを発掘するという大胆なコンセプトであった。

 このアイテムで特筆すべきは「タイタン」や「スーパーミクロマン」のようにハードウェア的要素によって商品の魅力を付加したのではなく、キャラクターの特徴付け、すなわちソフトウェアのみによって商品の魅力を付加させている点であろう。当時の雑誌媒体での展開において、ミクロマンコマンドは自らの体を武器に戦うというイメージが強調されており、これによって子供たちは「強さに憧れる」という児童心理を刺激され「ミクロマンコマンド」は、爆発的な人気を獲得した。

 コマンド用の乗り物として「コマンドカー」や「サーベイヤー」などが発売されていたが、それらの商品は従来のミクロマンのサプリメントツール的印象が深い。今回発売された「ミクロマンコマンド1号」は「ミクロマンコマンド2号」とともに、シリーズ導入期に発売されたもので、人形本体はナスカの地上絵を、カプセルケースはモアイ像をデザインモチーフとしている。人形本体の金型は、ニューミクロマンにおいても「エイジ」として再利用されており、その際は腹部の材料が畜光素材から通常素材に仕様が変更されている。

 現在、タカラに残されているミクロマンシリーズの金型は一部のみであり、今回の「ミクロマン21」では足りない部分の金型を新たに掘り直している。コマンド1号における欠損部品は、股間のダイキャスト型、肩部の軸部分のインジェクション型のふたつである。また、手首PE型は、成型後に特殊な抜き型を使う仕様になっているが、金型のゲート部を修正して抜き型を使用しないようにしている。





ミクロマンコマンド1号
1977年に発売された4人のミクロマンコマンド1号を紹介しよう。

M-151 イースト
地政学と古代文字解析の専門家。


M-152 エリック
地質学と古代文化に詳しい。
「アースジェッター」とのセット売りもされた。

M-153 エルダ
自然科学のエキスパート。


M-154 エバンス
超能力での戦闘を得意としている。
「レーシングバギー」とのセット売りもされた。






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今回の「ミクロマン21」では新たに2人のミクロマンコマンドが追加されている。
ここではその2人のプロフィールを紹介したい。


M150 エッジ
(「ミクロマン21・スターターセット」に付属)
エネルギー物理学の権威。自らの体を流体金属にに変換させている。その体内に貯えられたエネルギーは恒星一個分に相当する。そのため、活動の場は宇宙空間に限られており、めったに地上を訪れることはない。CRIM(保安機関)スターコマンドの切り札的存在。

M155 イーブル
超自然科学と異次元物理学の専門家で、蘇生中、メカアクロイヤーの攻撃を受けたために完全に実体化できない状態で蘇生している。蘇生から富士山麓の「地球本部」完成までの間はカプセルの中で眠りについていた。その副作用のためか火、水、風、土の4つのエレメントをブレストに宿らせるという従来のミクロマンとは違った能力を持つようになる。

・ファイヤーイーブル(赤)・・・・・・
 戦闘時の姿で「フレイムオン!」の掛け声とともに、両手、ブレストから力場を発生させる。この力場は一種の異次元繭ともいえるもので、あらゆる物理攻撃かを遮断する。その力場に包まれる姿は、あたかも炎に包まれているかのように見えるという。ただし、なぜかグリーンアマゾン総統のアマゾンガイザーを浴びると力場は消失してしまう。

・ウォーターイーブル(水)・・・・・・
 強力な念動力によってすべて物質の原子活動を自在に操ることができる。相手を瞬間的に凍結させる必殺技「アイシングチャージ」は、この力を応用したものでアクロイヤー軍団からも恐れられている。

・ウィンドイーブル(緑)・・・・・・
 未知のポテンシャルを秘めた形態で、異次元空間へのゲートを自在に開くことができる。その能力はαH7の地球接近とともに増大しており、時間移動すらも可能になっている。現在グルフトではこの能力の解析と研究を行ない、異次元発生装置の開発が着手されている。

・アースイーブル(黒)・・・・・・
 イーブルは通常、この姿でいることを好んでいる。ブレストより発せられる超音波「コマンドソニック」により、地中での活動が可能。またこの「コマンドソニック」を武器として使用することもある。




















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