No.99002030

フィギュア王 NO.15
    (1998年10月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第3話  「亜宇宙旅客機SOS!」

 HSST。それは成層圏を飛ぶ夢の亜宇宙旅客機だ。
遥か数万メートルの高高度を飛び東京とアメリカを1時間で結ぶことが出来る未来の乗り物だ。ニューヨークで行われる世界平和会議のために日本人の国連事務総長が機上の人となっていた。

ドガーン!ガガガーン!

突然不気味な音が響いた。

 「一体何事だ!?」
 「大変です!機長が急にコクピットを壊しはじめました」
 「何をするんだ!」
 「あっ機長!」

突然機長の顔はドロドロに崩れ中から不気味な宇宙人の顔があらわれた。

 「ギギギ、国連事務総長、我々はキミタチの言うワルグロ星人、私の個体名はゾーンだ」
 「一体何が目的だ?」
 「ギギギ、地球人に恐怖を与えるために来た。我々はどこにでも現れ自由に殺す。逃げても無駄だ」
 「むう・・」
 「ギギギ、生き残るチャンスはひとつだけ。事務総長、アストロキィのありかを言え」
 「アストロキィ?そんなものは知らない」
 「ギギギ、しゃべらねばコロス」
 『そうか、やはり君たちもアストロキィのありかを探していたのか』
 「ギギギきさまは!」

 事務総長の隣にいた青年の体が突然輝きはじめた。

 『オメガクロス!
 「ギギィ、サイボーグ一号!
 『そうだ、万一に備え秘密裏にガードしていたのだ。思い通りにはならないぞ!』
 「ギギギ、おろかなりサイボーグ、この機内でどう戦う?外は宇宙だぞ!武器で穴が空けば全員死ぬ」
 『人間の英知を甘く見ないことだインベーダー!オメガショーック!!

サイボーグの体が青く輝いた。
パワフルなネオサイボーグはパワード(きいろ)宇宙(金色)シークレット(くろ)とさまざまに自らを変化させて特殊能力をパワーアップさせることが出来るのだ。青はスピードタイプ。目にもとまらぬスピードで攻撃が可能だ。

ダブルチェーンソウ!



1







サイボーグの武器は大別して二種類ある。流体金属で作られた武器をを液化して普段から持ち歩ける標準装備アンドロイドA達が支援してくれる戦闘装備だ。
ダブルチェーンソウは標準装備なのでいつでも出せるのだ。

 「ギギギァァァ、」
 『安心しろみねうちだ』
 「ギギギなんと器用な、侮れぬな地球のサイボーグ」
 「グググ、ゾーン下がるのだ」

ゆらり、突然機内にもうひとりの宇宙人があらわれた」

 「ギギギ、ジャグラー!」
 『むっ、赤外線カメラによると質量がない。幻影か』
 「グググ、サイボーグ貴様は邪魔だ。だからおまえの死をもって恐怖を広める」

 ドカーン!恐ろしい爆発音が聞こえてきた

 「グググ、ゼロスの円盤がエンジンを攻撃した音だ。推力を失ったこの飛行機は墜落だゾーンはテレポート光線で回収スル、サイボーグ、四次元カメラで世界中に中継してやる!海の藻屑と消えよ」

 ルルルルルル、不気味な音とともに宇宙人の姿は消えた。そこに機関士が駆け付けてきた

 「たいへんだ、エンジンが粉々になっている。この機は五分後に墜落するぞ」
 「なんてことだ。も、もうダメだ」
 『事務総長まだあきらめないでください』
 「サイボーグ一号、私は君の活躍を二〇年前に見ていた。だが、さしもの君の力でもこの亜宇宙
旅客機を支えるのは不可能だ。今からではどんな救助も間に合わない」
 『事務総長どんなときでも希望を、勇気の種は持っているだけでは駄目です』
 『貨物室から外に出て僕が支えます』
 「サイボーグ一号!」
 『ネオサイボーグの力を見ていて下さい!』

ゴゴゴゴゴウ猛スピードで旅客機は墜落していく。

 『チェンジイエロー!』

黄色タイプに変身だ。きいろは短時間だが通常の一〇倍の力を出すことが出来るのだ。
一号は恐ろしいスピードで落ちる旅客機の翼を移動し体の何十倍もある方向舵を操作して機体を水平に向けた。

 「おお、機体が水平になっていくぞ」
 「でも、空中ではどんな力持ちでも支えることは出来ないぞ」
 『チェンジゴールド!』

 ゴールドは宇宙タイプだ。
 原子スラスターで無重力でも宇宙マッハで進むことが出来るぞ。

 『よし、あとは僕のスラスターの力で少しづつ降ろせば大丈夫だ』
 「ガガガそうはさせない」

 その時!ワルグロ星人の円盤UFO−7が卑怯にも攻撃をしかけてきた!
 機体を支えて動けない一号がピンチだ。
 ドガーン!ドガーン!

 『くっ、後少しなのに』
 「ガガガ、死ぬがいい地球のサイボーグ」


2








 危ない!その時円盤が爆発した!

 「がんばれ!サイボーグ!君はひとりじゃないぞ」

 それは中継を見て救援に駆け付けた世界の空軍の勇敢なパイロットたちだ。

 「見ていろ!インベーダー地球の科学力は低くても僕らには力をあわせて何十倍にもする力があるぞ」

ダダーン!何十本の空対空ミサイルが火を噴く。ワルグロ星人の円盤もこれにはコテンパンだ。

 「ガガガ覚えていろ」

UFO−7は撃退された。だが旅客機の落下は止まらない。このスピードでは着陸のショックで機体がバラバラだ。

 『くっ、駄目だ、さっきの攻撃で原子スラスターが被害を受けてしまった。このままでは・・・・・・』
 「あきらめるなサイボーグ一号、君はわたしにそういったじゃないか」
 『事務総長・・』

 一号は必死でこらえた。戦闘機ももはや手も足も出ない。猛スピードで飛ぶ旅客機は地球の裏側に回りこんだ その時だ!

 『おお、力がみなぎってくるぞ』

一号のエネルギーハートが赤く輝き始めた。サイボーグ一号はレッドギャラクシー星に長い間眠っていた間。レッド物質が体のなかに生成されていた。その物質はレッドギャラクシー星の影響で凄い力を発揮できるのだ。

 『おおおおおおおお!』

みるみるサイボーグのパワーがあがっていく、

 「すごいぞ」

戦闘機のパイロット達も歓声を上げた。大きな旅客機を小さなサイボーグが支えているのだ。そしてついには旅客機を無事ニューヨーク平和空港に降ろすことに成功したのだ。

 「やれやれとんだ旅行だった。ありがとうサイボーグ一号、みんなを代表してお礼を言う」
 『いえ、お礼を言うのは僕のほうです。事務総長の言葉がなければあきらめていたかもしれない』
 「私も本当は怖かったでも小さな勇気でも大きくなることが分かって嬉しい。誰でも心に弱さがある。でも人は支え合って生きていくことができる。誰かが苦しければ誰かが支えてあげる。素晴らしいことだ。平和会議の席上で高らかにこの話をしようじゃないか」



■宇宙 ワルグロ星人遊星基地

 「ガガガ、やつにあんな力があるとは」
 「グググ、レッド反応がまだ完成されてないのが救いだ」
 「ギギギ力技でねじ伏せてしまえ」

 そこに黒い闇と共に何者かが現れた。その側には四本足の動物もいる。

 「そんなことでアストロキィは見つかるのか?」
 「ギギギ、貴様ッ!」
 「ガガガ、始祖の使い!ダークスター!
 「始祖の目覚めは近い。今後は僕もアース戦線に参加する」
 「グググ、「ワルダーの指4軍団」は?」
 「じきにダイアクロン軍団を掃討してこちらに来るだろう。そうなれば君たちの星人も無用となる」



■次回予告

ワルグロ星人の前に突如現れた謎の男。
彼の正体は一体?そして始祖の目覚めとは?「次回!死の天使ダークスター」を待とう!



3