No.99002060

フィギュア王 NO.18
    (1999年02月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第6話  「ネオビクトリー作戦発動セヨ」



■宇宙ロードステーション基地

 「反対だ!」

ミクロマンたちが紛糾していた。

 「ぼくたちはユートピアを作るという目的がある。キングワルダーはたしかに驚異だ。しかし、これ以上戦いに参加するほど僕らは好戦的ではない」

ミクロマン・ジョージの言葉に皆静まり返った。

 「ミクロマン・トム。残念だが評議会は参戦しないという結論だ。ネオノーチラス基地に伝えてくれ」
 「そんな、今は少しでも戦力が欲しいというのに」
 「アクロイヤーとの戦いを教訓とせねばならないのだ」







■地球軌道上〜月面〜

 「ココガ地球カ」

 3体の恐ろしい怪人が地球を眺めていた。物量による殲滅作戦を得意とする、ドクロキング。からめ手による封じ込め作戦を得意とする植物怪人。そして心理攻撃を得意とするサタンキングだ。
 彼らはワルダー一世の体から分離したクローンだが、その悪徳の英知は、一世のネビュラクエイク作戦をささえていたのだ。

 「3司令がそろい踏みとは、めずらしい」
 「ダークスターか、」
 「役目、終了、何故、居る?」
 「ジン様の目付け役に。ワルダー一世は、最後の長考に入られた。その間は、僕の言葉が一世の言葉と考えていただこう」
 「随分ト信任ガ厚イモノダナ」
 「ダークスター、思考、読めぬ、不明快」
 「かまわぬ、ダークスター、貴様の本懐、とくと見極めよう。ドクロキング、お前に一陣をまかせよう」
 「ウム、サタンキング貴様ノ命令口調気ニ入ラヌガ、引キ受ケヨウ」





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■地球-ネオノーチラス研究所

 「駄目だ、圧倒的な戦力不足だ。せめて99(ダブルナイン)の開発が間に合ってくれれば」
 「99?父さん、なんですか?それは」
 「究極のサイボーグボディ、遺跡から解読した封印情報のひとつだ。この宇宙に残る遺跡はなにかを伝えようとしているようだ」
 「なにか・・・」
 「多分、私たちが強大な悪魔に打ち勝つための力を ん?」

ビビビビビーッ。非常ベルが鳴り響いた。

 「博士!ニューヨークが破壊されています」
 「父さん、僕は行きます!」
 「健一、お前ひとりを・・・すまん」






■ニューヨーク〜深夜〜

世界最大の経済都市であり摩天楼の都も、ドクロキングの攻撃にはなすすべもなかった国連防衛隊も出動したが、まったく歯がたたず死者の町へとかわっていった。

 「ドクロキング!ワルダー一世!?いや違う、誰だ!」
 「サスガ、宿敵1号、スグニ分カッタカ、我ハ、〔ワルダーノ指〕正当ナル分身ナリ」
 「悲しみの涙を嘲笑うものめ!、私はお前たちを許さない!」
 「イーグルアイアン!」


1号のワシの爪がドクロキングを切り裂こうとした時、ドクロキングを取り巻いていた多くの死霊により弾き飛ばされた。

 「ワルグロ星人タチト一緒二シテモラッテハ困ルナ、蒸発銃!

ズバンズバンズバン!高層ビルが菓子のように溶けていく。

 「くっ・・・」
 「強イノハ迷イガ無イカラダ。サイボーグ1号」
 「迷い・・・」
 「オ前ハ、タッタヒトリ、兄弟モ友モイナイ」
 「ぬぅっ、」
 「勝チ目ノナイ事ヲモウスデニシッテイルノダフハハハハ」

ドクロキングの手が1号の首を捕らえた!強力な力で握り潰そうとしている
その時だ!

 「あきらめるな!」

何ものかの声が健一の頭脳に響いた!

 「もう少しだけ頑張れ!思い出すんだ、いつも勇気が道を切り開いたことを、自分がいつも言っていることを思い出せ!」
 「そうだ・・・勇気とは・・・恐怖を恐れないことだ!クロスレインボー!!」

スピードタイプブルーに変身した!

 「ジャンボ・ナックル!!」

マッハ猛スピードの攻撃にさしものドクロキングもたじろいだ。

 「苦しいときに諦めるのは勇気ではない!この体、打ち壊れても、動かしてみせるぞ!」

ズガガーン!その時だ、ドクロキングに攻撃が仕掛けられた。





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 「?」

そこにあらわれたのはロボットマン!ミクロマンたちの誇りある戦闘ロボットだ!

 「待たせたね、健一」
 「トム、ミクロマンの評議会は不参戦を決定したんじゃ?」
 「ぼく達は平和を愛している。ミクロマンは戦わない。でも、自分から戦いに行くのを止めたりはしない」
 「トム」
 「僕だけじゃないみんなだ!」

なんということだろう、そこには大勢のミクロマンが集結していた。

 「行くぞ、みんな」
 「小さくても勇気は大きいぞ」
 「アトミック・バズーカ!」
 「みんな力を!エネルギーを集中するんだ」
 「おお!」

ズバババババババーン、必殺の一撃が火を噴いた。

 「ナ、ナントイウチカラダ」

それはさしものドクロキングをも葬り去ったのだ。




■地球軌道上〜月〜

 「なんと、ドクロキングが」
 「計算不足、必然、不確定要素、補足必要」
 「さすがは、サイボーグ一号だがいつまでも奇跡はつづかないぞ。」





勝利に湧く1号たちに再び謎の声が話し掛けてきた。

 「よく耐えました1号」
 「あの時の声と同じ・・・君は誰だ」
 「いま、姿を見せます」

そこにあらわれたのはアポロイドZ!!それは旧サイボーグ1号の変身した姿だ!

 「君は!いったい!」
 「いずれ明かします。今はダークスターを、健吾くんを救ってやってください。彼は事故により人を死なせてしまった。その自責の念から自ら殻に閉じこもり、そこをワルダーに洗脳されたのです。」
 「そうだったのか・・・」
 「1号、最後の切札はあなた自身です。かならず勝ってください」

二人のサイボーグは固い握手を交わした。しかしそこに哀しげなぬくもりがあるのを片貝健一は知る由もなかった。




■次回予告

地球窒息作戦、植物怪人との戦いが始まる!運命に選ばれる者、斗馬一矢!そしてタイマニックがあらわれる!
次号「新サイボーグ99誕生!前編」をまとう!





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