No.99002070

フィギュア王 NO.19
    (1999年03月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第7話
「新サイボーグ誕生!その名はダブルナイン!前編」



■火星

火星。極寒の氷の下では、ミクロマンコマンド達の協力を得て火星遺跡の調査が行われていた。そこにはネオ・ノーチラス研究所の斗馬一矢(とうまかずや)、影丸神(かげまるじん)らの若い研究者も来ていた。

 「見たまえ、斗馬!この金属板を」
 「神!これは地球で見つかったものと同じだ」
 「なにか書いてある・・・古代宇宙語だ」
 「解読してみよう、七人のギャラクシー隊から、最後の希望、未来に託す・・・」
 「なんのことだろう」

ミクロマンコマンド1号が声をあげた。

 「見てくれ!ここに誰か埋まっている!」

他のミクロマン達も駆けつける。

 「ミクロマンの仲間か?いや違う・・・もっと大きい」

そこには、青い体をしたサイボーグにも似たボディを持つ謎の戦士が横たわっていた。

 「死んでいるのかな?」
 「わからない、早く片貝博士に見て貰おう」




■地球-ネオ・ノーチラス基地

ピッピッピー

 「博士!火星探検隊からの連絡で、重大な発見があったそうです」
 「うむ、健一、今すぐ火星に向かって、彼等の護衛をしてくれ」
 「分かりました!父さん!オメガショークッ!クロスレインボー!」

健一は金色のボディにチェンジした!宇宙空間用のゴールドは超空間移動用が可能なのだ。ビュワワワーーーン。サイボーグ1号はアッという間に宇宙に飛び出し、火星に向かった。

 「もうじき火星だ。ん?あれは?」

火星の衛星フォボスに謎の影が現れた。

 「お前は、サタンキング!」
 「いよいよ、ジン様の目覚めの時だ、ここでおとなしく見物していて貰おう」
 「目覚めだと・・・」





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■火星

 「さあ、斗馬、急いで基地に戻ろう!」

宇宙船に向かう一行の前に、黒色の翼が舞い降りたそれはダークスター!洗脳改造されたサイボーグ2号だ!

 「健吾くん!いや、ダークスター!」
 「今日は迎えに来た」
 「何!?」
 「地獄の皇太子を」
 「皇太子?一体何を言っているんだ!」
 「本人さえも知らないのだからしょうがない、ネオノーチラスに潜入していたのは、その発掘した物を発見するためだ『ダブルナイン』は障害となりかねないからな。でも・・・、茶番はもうおしまいだ」

ギャルルルルルルルルルル。ダークスターの口から怪音波が飛び出した。

 「ぐわっ」

影丸神が急に苦しみだした

 「どうしたんだ、神!」
 「体が・・・うぉぉぉぉぉぉぉ!」

その時だ!眼を刺さんばかりに、影丸の体が紫色に輝いた!

 「影丸、君の体が!」
 「私は・・・いやオレは・・・」
 「諸君、ひれ伏したまえ、この方こそ、キングワルダー2世様だ」





■火星軌道上

宇宙空間ではサイボーグ一号とサタンキングが戦っていた!

 「影丸くんがワルダー2世だって、そんな馬鹿な!」
 「我々の狡猾さを甘く見たな。侮ったお前達の負けだ」
 「そんな事が・・・、彼は立派な科学者だ」
 「誰でも心に仮面をかぶることが出来る。それが二重三重になったとき本心は隠されて、自分ですら分からなくなる」
 「なに、」
 「お前が知っている影丸神は、オレサマの作った仮面に過ぎない。ウハハハハハハ」
 「どこまで他人の心を踏みにじれば気がすむんだ!サイバット!」

サイバット、それはコウモリの形をした偵察装置だがその両翼は強力な斧になるアニマル武器だ。

 「魔光線デビルフラッシュ!」

ガギャン!飛び出したサイバットは弾かれてしまった。

 「貴様の武器はそんなものか!お前の攻撃は何一つ通用しないぞ!」
 「それはどうかな!」

グサリ!サイバットがサタンキングの背中に突き刺さった。

 「ぐふっ、衛星を一周させてきたのか・・・」
 「侮ったお前の負けだ!」
 「見事・・・一号」

グジャァァァァァ、負けの決まったサタンキングは、体内に埋め込まれた制裁装置によりドロドロに溶けてしまった。敗北者には死、それがワルダー軍団の掟なのだ。



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■火星

 「神、一体どうしたんだ!」
 「馴れ馴れしく声をかけないで貰いたいな」
 「仲間じゃなかったのか!」
 「友情ごっこは、もう終わりだ」

ゴキリッ なんということだ!一瞬のうちに鈍い音がして斗馬一矢の首の骨が折れた。ミクロマンコマンド達ですら手も足も出ない早業だった。

 「斗馬くん!」

1号が駆けつけてきた。

 「今頃来たか、サイボーグ1号」
 「影丸君、いや、ワルダー2世!」
 「口の効き方を慎め」

バシュ!腕の一降りでサイボーグ1号はなぎ倒されネオの強化ボディにヒビが入った!恐ろしい力だ!

 「弱いな、サイボーグ1号」
 「兄さん、これがワルダーの力だ。ワルダーには、誰も逆らえない」

ダークスターが氷のような声で宣告した。

 「ぬうっ」

その時だ、今まで眠っていた青色の戦士の体が輝き始めた

 「なんだ!」

ババババババババババ大きなエネルギーが発生する

 「どうした?一体こいつは・・・」

火星の薄い大気がプラズマ化し、チリチリと音をたてる。戦士のボディがギラリと輝いた!

 「タイムバリアー!ワープ!!」

バヂュム!大気をねじ切る音がして、1号達は一瞬にして消えた。

 「消えた・・・どういうことだ?ダークスター ネオノーチラスにはこんな力はないのに」
 「まさか、あれはスペーストラベラー・・・















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■地球

1号達が気が付いたとき、彼等はもうすでに地球にいた。

 「一体、なにが・・・」

青の戦士が一号達に語りかけてきた。

 「私の力でみなさんをワープさせました」
 「ワープ・・・そんな力が」
 「私達がワープス星人達との死闘で手に入れた力です。それよりも、この人を早く!まだ脳は生きています。サイボーグ手術なら助かる。きっと私の知識が役に立つでしょう」
 「君は・・・?」
 「私は数億年を越えて過去から来ました。あなた達に力を与えるために!7人のギャラクシー隊の意思を引き継いで」
 「私の名前はタイマニック、先史文明のサイボーグです」

一方その頃 地球各地の気象観測基地が悲鳴を上げていた大気の酸素濃度が刻一刻と下がり始めたのだ




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そこでは植物怪人が植物を化学変化させ酸素を吸い二酸化炭素を吐き出すように改造していたのだ。このままでは数週間で地球の生物は絶滅してしまう、1号達は植物怪人に、そしてワルダーに勝てるのか!




地球危うし!




























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