No.99002090

フィギュア王 NO.21
    (1999年05月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第9話
「新サイボーグ誕生!その名はダブルナイン!後編」



キングワルダー2世の恐るべき作戦「地球窒息作戦」が敢行された。植物怪人の手によって刻一刻と地球の酸素は薄くなっていく、おびえる市民、その恐怖はドロメエネルギーを産みワルダー達の力となる。最後の切り札ネオテクターを装備して、敵基地内に突入するネオ変身サイボーグ1号、片貝健一の運命は!




■南米植物要塞基地内部


 『チェックメイト!覚悟しろ植物怪人!』

要塞基地の中枢に必殺の一撃が降り下ろされようとした時、その腕が受け止められた。それはダークスターだ!

 『健吾!』
 「兄さん!まだ・・・駄目だっ!」
 『何ッ?』

その時サイボーグ1号の脳裏に強いテレパシーが届いた!

 「最後の・・・レッドギャラクシーの・・・、兄さん・・・僕は・・・」
 『健吾!お前は!』

しかし!ダークスターの眼がギラリと輝いた!

 「ハッ!油断したな!サイボーグ1号!これでタイムアウトだ!」

黒い一撃が一号をはじき飛ばした!1号の体が赤く過熱する。ネオテクターは、原子力エネルギーを強化させる装備だ。通常以上の力を出せるが、同時に5分以上活動すると大爆発を起こしてしまうのだ。

 「ふははは、面白い趣向だぞダークスター」

そこに悪の皇太子ワルダー2世が現れた

 「どうする?1号、これ以上戦って、貴様自身が核爆弾となるか!それとも、我々になぶり殺されるか!ふはははは、選べ、片貝健一!科学の殉教者よ!」
 『健吾・・・お前は・・・』

もはや自由の利かない体で1号は問いかけた


1







 『健吾、もう、お前は違うのか・・・』
 「違うさ、兄さん。僕は知ったんだ、宇宙は死滅する運命にある。いずれ滅びるのなら僕は、死神になる理不尽な死を与え、業を背負い僕は死ぬ。それがたった一つの救済だ」
 『それがお前の答か!』
 「・・・」
 『健吾!お前は逃げているだけだ!』

ビクッ、ダークスターの眼にとまどいの色が浮かんだ。

 『自分の間違いを正当化して、認めようとしないだけだ!お前は、弱いだけだ!強くなれ!そして自分にうち勝つんだ!』
 「くっ」

グシャァァ!その時だワルダー2世のギロチンカッターが一号を貫いた。

 『グオオオオォォ!』

一号が苦悶の叫びをあげる。

 「兄弟の時間は終わりだ。さあ、ダークスター忠誠の印に兄のとどめを刺せ」
 「・・・!」
 「さあ、貴様の兄が苦しんでいるぞ、早く楽にしてやれ」
 「・・・・・・」
 「死神になれダークスター。ふはははは」

その時!謎のテレパシーが轟いた!

 「健吾君、君は騙されている・・・」
 「誰だ!」

ワルダー2世が叫んだ。

 「世界は滅びない。「宇宙の死滅」など存在しない。それはキングワルダーの妄想に過ぎない」
 「かっての銀河戦争の時に、人々を惑わす為に恐怖が植え付けられた。死滅、破滅、絶滅その言葉の呪いが恐怖を増幅させ、銀河戦争へと人々を駆り立てた。だが、それは予言では無い、そう差し向けたのだ!」

 「このテレパシーは一体?」
 「ジン、僕の声を忘れたのか」
 「斗馬・・・一矢!!」
 「あの時火星遺跡の中で僕は死地を彷徨った。その時遺跡の力とシンクロしたのだ。そしてなるべくして産まれた自分の運命をしった」

 「一矢!まだ生きていたのか!」
 「そうとも!お前達の野望をうち砕くために、僕は帰ってきた!勇気を持つ人間は不死身なのだ」
 
ゴォォォォォォォォォ要塞内を閃光が埋め尽くした!ギュファァァ、基地が!空間が歪む!

 「こ、これは!」

閃光の中一人の戦士が現れた!それは!!

 「我こそは7人のギャラクシー隊の末裔、サイボーグ99(ダブルナイン)!」
 「ダブルナイン!くそっ99ボディを解析したのか!」
 「もはや、優位ではないぞ、影丸ジン!いや、ワルダー2世」
 「邪魔は・・・、させない!」





2







ダークスターが飛び出した。

 「ライジングフィストッ!」

99の右腕が輝いた!ライジングフィスト、それは右腕の周りに超空間を発生させねじ曲げた空間を叩きつける格闘戦を得意とする99の強力技だ!

 「デスフィールド・ヘル!」

ダークスターも応戦する!しかし!

 「うぉぉっ!」

ゴギュルァァァァ!ダークスターの作った暗黒空間ごと吹き飛ばされた!

 「おう、!ダークスターが・・・空間ごと飛ばされた!
 「むう、99の力、これほどまでとは」
 「下ガル、望ム、キングワルダー2世閣下」

植物怪人の本体が植物基地の間からヌラリと現れた。それは次から次へと増殖し大軍団となって99と一号を鉄壁に囲む。1万、2万、とても数え切れない数だ。

 「よし、任せるぞ植物怪人」
 「無限ニ、増殖可能、勝チ目ハ無イ」

植物怪人が植物語で語りかける。

 「僕は恐れないぞ!悪はどんなに力を合わせても99%の力までしか出せない!人を愛する心を持ってこそ本当のパワーが出せるのだ」
 「嘘言ダ」

植物怪人の軍団が襲いかかる!

 「では、見るが良い!ファイヤァァ、ナックル!」

燃える鉄拳が植物怪人に叩き付けられたさしもの大軍団も弱点である炎の攻撃には弱い!1万度の超々高温の一撃が増殖植物怪人共を一瞬に炭化させる。

 「コノ威力、本当カ!?」
 「これが、7人の機甲戦士から受け継いだ力だ!オオオオオオォライトニング、クラッシュ!!」

ライトニングクラッシュ!それは99の潜在エネルギーが、100%に達した時のみに使える、ボディをエネルギー化して敵に体当たりし、原子レベルまで粉砕する、強力無比の必殺技だ!99のボディが輝く、目を閉じても刺すような激しい輝きだ!

 「ドラァイブ!」
 「グォォォッ!」

地球を恐怖のどん底にたたき込んだ植物怪人も、たった一撃で葬り去られた!

 「ぬう、さすがに恐れていただけはあったか、99。だが斗馬ごときに負けはしないっ」
 「お待ち下さい、ジェネル様」

そこに現れたのは青い悪のワルダーエビルだ。

 「ここは下がるべきです。敵の戦力が読めない以上は無理をしてはいけません」

ワルダー三界の王の一人、エビル。頭脳戦を得意とし常に冷静に戦略を練る陰謀家だ

 「よかろう・・・しかし!悪徳の誇りにかけて、倒すぞ斗馬一矢!サイボーグ99」


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そして激闘が終わり、長い夜が明けて朝が来た。

 「大丈夫ですか?健一さん」

深手を負ったサイボーグ1号。しかし鋼のボディは勇気有る片貝健一の命をつなぎ止めたのだ、

 「斗馬君か・・・サイボーグ手術は成功したのか」
 「健一さんが時間を稼いでくれたおかげです、僕はみんなに命を貰いました」
 「ダブルナイン、凄い力だ」
 「でも、ダブルナインのパワーを完全に使うのは自分には無理かも・・・僕はあなたほど勇敢ではないから」
 「大丈夫、君なら使いこなせるさ」

改造植物も植物怪人を失い、ネオノーチラスの科学力によって元に戻された。ネオ変身サイボーグとサイボーグ99。今、新たなるデュオが誕生した。世界の運命を握る秘密を持つ1号、そして先史文明の力を受け継いだ99!そしてダークスターの一瞬のテレパシーの正体は?キングワルダー2世の次なる野望は!?戦いは新たなる段階へ突入したのであった!決戦の日は近づく、ザラス星での死闘は運命を変える。

次回「超兵器!火を噴くサイバー麒麟銃」を見よう!










































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