No.99002100

フィギュア王 NO.22
    (1999年06月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第10話  「超兵器!サイバー麒麟銃」



■惑星ザラス

 文明が浅いその星には永く神が祀られ栄えていた。それは半人半機械という異形の神であった。ある日神護りの少年ジェフの前に二人の見知らぬ青年が現れた。




■銀河Pポイント

宇宙ではキングワルダー2世とその部下達がいた。

 「ここが時空震のホットポイントか?エビル」
 「ジェネル様、アストロキィの試し撃ちには丁度良いポイントです」
 「ふむ、では試してみるか、やって見せろダークスター」




■惑星ザラス

 「昔から、受け継がれている機械?それは御神体のことですか」
 「聞いたか?一矢君、やはりタイマニックが言っていた、前銀河大戦の兵器は残っていたのだ」
 「そうですね、健一さん。残念ながら銀河の英知を手に入れたワルダー一世と戦うには、どうしても遺跡兵器が必要になります。ジェフ君、それを我々に見せてくれないか?」
 「駄目です。麒麟銃は僕ら神護りの一族がその代を変わるとき、一度だけしか見られません」
 「しかし!我々には必要なんだ」
 「一矢君、諦めよう。僕らにとっては武器であっても彼らには神様そのものなのだ」











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■ザラス星アフリカに似た平原

 「懐かしい感じだ、1999年のアフリカに似ているな」
 「タイマニックの情報によると、この惑星 (―――この部分は原作も白紙です―――) ギーも中和してしまう防御系の武器ですが、太陽などに使えば星の命を無くす、恐ろしい武器となります」
 きっとこの星の人間によって装飾が施され麒麟銃と呼ばれるようになったのだろう。この星に住む麒麟は彼等にとってシンボルだったに違いない」
 「それさえあれば、ワルダーの超兵器とも互角に戦うことが出来るのに・・・」

その時、彼方で爆発音がした。ワルダー二世達の襲撃だ。健一と一矢が駆けつけた。ジェフのいた村も焼け野原になっていた。

 「ジェフ君!
 「あれは・・・、伝説の神様です!なのに何故僕らを・・・」

輝く半機械の戦士が人々を殺戮していた。

 「待て!ワルダージェネル!」
 「ほう、時間つぶしにもならないと思っていたが、お前達がいたとはな」
 「オメガクロス!」
 「スーパーオメガクロス!」

二人の青年は銀色の戦闘形態にチェンジした。ジェフは驚愕の眼で二人を見つめている。

 「神様・・・神様だ・・・」
 「行くぞ!」

99の拳の一撃がジェネルに当たり、大気を震わせる。1号のパワーアップ武器が唸る。二人のサイボーグとワルダー達の戦いは大地の形を変えるほど壮絶であった。

 「埒があかぬな、ふふふ面白いことを教えてやろう。この星は一時間後に宇宙震にぶつかり粉々に吹き飛ぶぞ」
 「何だと!」
 「この惑星のマントルは、反応を起こしやすいのだ。ほら、予波が来た」

ババゥ!天空が輝き、放電現象で不気味な虹が踊った。

 「どうだ、もはやお前達の力では止められないぞ」
 「くっ、麒麟銃さえあれば」
 「麒麟銃・・・麒麟銃が必要なのですか」

ジェフが言った。

 「そうだ、今使わなければこの星の全ての命がなくなる」
 「すべての・・・、わかりました神様を信じます。僕をあの山の火口に連れていって下さい」
 「健一さん!ここは僕がくい止めます!火口へ!」
 「頼む!」

1号は青形態に変身、ジェフを連れ火口に向かった。だが、火口では黒い影が待ちかまえていた!

 「どうやら、何か隠しているみたいだな」
 「!、ダークスター!」
 「兄さん、もう終わりにしよう・・・」
 「・・・健吾!」
 「兄さんの存在は覚悟を揺るがせる、ならば・・・今、どちらかが死ぬべきだ」

二人のサイボーグの間に重い空気が流れた。





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 「・・・分かった」

勝負は一瞬だった。
ダークスターの黒翼が開き、拳が光条を引き一号を狙った!1号は・・・
何もせずに受け止めた。
ギャァァン。鋼鉄のボディはねじ曲がり、1号の人工心臓がうち砕かれた。

 「兄さん・・・」
 「どちらかが死ななければならないのなら・・・お前が生きろ」
 「・・・・・・・・・」
 「健吾、お前はサイボーグ2号だ。いつも・・・いつまでも・・・」
 「・・・健一兄さん」
 「この星を頼む・・・」
 「そんな、おかしいです!」

ジェフが叫んだ。

 「僕たちよりも優れた神様達が、争うなんて・・・」
 「優れた・・・」
 「御願いです、黒い神様、みんなが助かったら神様達仲良くして下さい」

悲愴な顔だった。そしてジェフは印を切り、火口に飛び込んだ。

 「君!一体何を!!」

ゴゴウ!その時火口溶岩が二つに割れた。神護りの一族、それは体に代々特殊な金属質を受け継ぐことができる人々であったのだ。それはこの星のエネルギーを反応させ、溶岩を割った、そして割れた溶岩の中には・・・

 「あれが麒麟銃・・・」

伝説の超兵器があった。

 「99聞こえるか」

ダークスターはテレパシー通信を送った。

 「貴様、ダークスター!」
 「兄さんを、頼む・・・」




◇◇◇◇◇◇

今や天空は赤く染まり来るべき衝撃を予感させていた。その鳴動の中ダークスターは立ちつくしていた。

 「人は死ぬ・・・、そして何故!生きようとする!!麒麟銃!!」

ズバム!地上から放たれた一条の光は衰えもせず宇宙を貫いた。一瞬宇宙は輝き、・・・そして静寂が訪れた。

◇◇◇◇◇◇

一切の無音の中ダークスターは立っていた。もし彼が生身だったら泣いていただろう。生命と、自分の罪に・・・

だが、サイボーグは泣くことが出来なかった。

(つづく)



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