No.99002130

フィギュア王 NO.25
    (1999年09月号)




タカラ公認
ネオ変身サイボーグ1号 オリジナルストーリー


サイボーグサーガ


第13話  最終回中編「ファイナルカウントダウン」



■宇宙

 今、刻々と迫るキングワルダー一世の大軍団。地球、それは宇宙の神を狙わんとするワルダー一世の屈辱の地。一世には大成の前に、なんとしても葬らなければならないものだった。迫り来るワルダー軍団は、その間にもムクムクと増殖を続け、もはや広大な宇宙でさえ狭苦しさを覚えるようであった。
 迎え撃つ地球艦隊、その戦力差は、1対一億!だがその勝てるはずのない戦いに向かう戦士達がいた。




■移動要塞ロボットベース

 「これだけの戦力差にどう戦う」

敵に近付くに付け不安は大きくなる一方だった。さしもの精鋭達もその戦い方を見いだせないでいた。

 『苦しいときは勝つ事を創造するところから始めよう』

そこに現れたのは片貝健一、ダークスターとの一騎打ちで死に瀕していた変身サイボーグ1号だ。

 「兄さん・・・」

その場にいたダークスター、いや片貝健吾が話しかける。

 『健吾、何も言うな自分の弱さに気が付いた人間が一番強い。そうだろう』
 「・・・」
 『ネオノーチラスのコンピューターはアストロキイ発動まであと3時間と計算しました。ですが次元活断層を破壊し、全銀河を内崩壊させる前に、新しい宇宙を作る準備が必要です。そのデータ入力のため5分、彼等の動きは完全に止まります』
 「おお、ではその時に!」
 『しかし・・・その時に、ワルダー一世の懐に飛び込まなければなりません』

それは、大軍団を突破し、敵中心にたどり着くことを意味している。










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 「1号、それが帰る事のない道のりでも僕らはひるまないよ」

長年の友ミクロマン・トムが語りかけた。

 「もし、この世の中に神様がいるとすれば、今ここで僕らに戦うパワーを与えてくれた事が最大の贈り物だよ」
 「健一さん」

ダブルナイン斗馬一矢だ。

 「トムの言うとおりです。僕らの力、僕らの運命は今ここで結集するために作られてきたと思います。だから父さんの死もすべては無駄じゃない・・・」
 『斗馬君・・・』
 「戦いましょう。最後のビクトリー計画を」
 『僕たちは、皆が違う宿命を持って生まれてきた。でも、ここでみんなが一つになって戦えることを僕は誇りに思う』

一人一人の心に勇気がみなぎっていく。

 「みんな戦闘開始だ、全員サイボーグ1号の指揮で戦う」
 「おおっ!」

戦いの準備が始まる中、健一の妻、片貝マリが話しかけた。

 「あなたゼン・マトリクスの「最後の審判」の事は・・・」
 『言わない方が良いだろう』
 「分かりました。それがあなたの意思なら」
 『マリ、もしも明日があれば、君にもう一度言うよ永遠に愛している・・・と』




■土星

それは後に土星沖の戦いとして、伝説となる戦いであった。ロボットベースの先に立つ二人の影。99と2号だ。

 「突破口を開くぞ、健吾君!」
 「分かりました一矢さん」
 「ダブルオメガクロス!チェンジゴールド!」

ゴールド形態!それはワープ能力のある宇宙戦用だ。99と2号の二人のサイボーグはワルダーの円盤群の中にワープした!ババババ!とたんに集中砲火を浴びる二人、だが、高速で駆け抜ける。二人を捕らえるのは不可能、次から次へとワルダー軍団の同士討ち被害が広がった。

 「さかしいぞ、地球のサイボーグ」

現れたのはキングワルダー2世だ!

 「ジン、引っかかったな」
 「何だと?」
 「どんな軍団でも統率が無ければただの雲だ。いくらお前でも同時にいくつのも指揮は出来まい!」

その逆方向、ワルダーの円盤群をダイアクロン隊が同時攻撃で切り崩して行く。敵の統率を欠いた一瞬の隙を狙った攻撃だ。

 「後は、頼むぞミクロマンの諸君」

ダイアクロン隊も果敢に攻撃していく。

 「了解」






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錯綜する砲撃の中をミクロマンが飛び出していく。

小さい!ミクロマンは小さい!だからこそ攻撃をかわし敵陣深く潜っていく。

 「土星は僕らの庭みたいな物さ」

ミクロマンタイタンが先陣を駆ける。

 「スパイマジシャン隊用意はいいか!」
 「OK、まかせてくれ」
 「敵コントロール円盤を奪い取るんだ!」
 「ラジャー」
 「あぶない!」

デスマルクのプラズマ光線が直撃する!しかしそれを支えたのはミクロマンブリザードだ!

 「急げ!ここは俺達が引き受けた」
 「まかせたぞ!」
 「やるな斗馬め、だがまだエビルとシャドルがいることを忘れているな」
 「ジン、君の頭脳も交換の必要があるな」

作戦指揮を執るエビル、それを護衛するシャドル、その二つに影が襲いかかった

 「む、何ヤツ!」
 「シャドル!ダークスターだ」
 「姿が見えないスティルスモードか・・・」
 「だがヤツの電子頭脳の波形は捕らえられる」
 「コブラガン!」

貫く光線がダークスターこと2号を捕らえた!

 「死ね!哀れな地球人!」

その時だ、

 「グアォウ!」

背後からサイボーグジャガーが襲いかかった!その隙をついて2号のフラッシュビームがヒットした!

 「まさか自分を囮にして・・・」
 「エビル、シャドル、僕とジャガーは一心同体だ、最高のチームワークはどんな敵にだって負けはしない」

ズガーン、ミクロマンの作戦成功だ!コントロール円盤からのニセ信号により、同志討ちが広がり軍団の一角が破壊された。




■ロボットベース

 「よし、ワルダー軍団の中心に穴が空いたぞ」
 「いよいよ私の出番だな」

青いタイマニック2号が現れた

 『頼みます、タイマニック。あなたのエネルギーでなければ高エネルギーの中心部にワープすることはできませんから』
 「片貝健一・・・、本当にいいのか?」
 『サイボーグは不死身です』
 「分かった。健一、さようなら・・・いつかこの宇宙のどこかで会える日を待っている」
 『どこか、永遠の時間の彼方で』
 『ダブルオメガクロス、チェンジレッド!』

健一の体が赤く輝いたそれはレッドギャラクシー星のエネルギーを開放した二度と元には戻れない最後の姿であった。瞬間、爆発的なエネルギーと共にサイボーグ1号の姿は消えた。これがサイボーグ1号の目撃された最後となることをまだ誰も知らなかった。




★次号サイボーグサーガ堂々完結 最終回後編「永遠の命」





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