最初期のミクロマンの物語を、以下の資料から最も詳しい内容を集めて構成しました。この昭和50年末までの1年余りの間に生まれたストーリーを基礎として、その後もさらに大勢のキャラクターを加えながら、壮大な物語が展開していきます。その設定は、まず商品に付属するミクロマン関連商品を紹介したカタログの中で、多数の写真や小さな文字により、空想科学小説の体裁を取って描かれました。次々と登場する仲間についての背景を順次記すため、一つ一つの物語は断片的なものになっており、それらをつなぎ合わせて読む必要がありました。
26年後、懐古玩具ブームの中で『フィギュア王』誌上で発表された、新たなストーリーも取り込んでいます。
『君のテレパシーで活躍する「小さな巨人」ミクロマン』 昭和49年 ミクロマンで最初の豆本型解説書。 ミクロマシーンや初期コスモ・カー(機動部隊)の設定が詳しく書かれている。また、「ミクロヘルプ」のやり方を紹介している。アクロイヤーは名前だけで登場し、まだ謎に包まれていた。 以後の設定と異なる点が多く、ミクロマンはミクロアースにいたときから身長10cmで、ミクロアース爆発の時にできた大水晶体を中心にミクロ星団をつくり、銀河系宇宙をさまよっていたことになっていた。そのためミクロアース物語0.03に直接引用した箇所はない。しかしこのカタログでの設定を完全に無視することはできないほどの情報量があり、大水晶体の由来について記述している資料はこれだけである。これは設定の変更と言うより、地球で出会った子ども達にわかりやすいようにと、初めは蘇生の詳しい説明を省いていただけなのではないだろうか。 |
『未知の星からやってきた小さな巨人 ミクロマン TAKARA'S MICROMAN-ZONE』 昭和50年 マシン・カーに付属の豆本型解説書。同じ商品でもこの時期以後に発売されたものには、やや小さめの『未知の星からやってきた ミクロマン』が付属する。4人の初代ミクロマンの行動について詳しく書かれている。カプセルの機能や、全員で15人になったミクロマンの人物紹介など、設定資料が大変豊富。緑ボディのアクロイヤーも姿を現している。 ビクトリー計画の記述がある。変身サイボーグのカタログにも同じ大きさのものがあり、各ページの下にスペクトルデザインが描かれている点なども共通であることから、変身サイボーグとのつながりが強く感じられる。また、3つの輪が交差している、古典的な電子軌道の概念をデザインしたものがカタログに限らずこの年発売の商品パッケージには多用されている。このデザインは変身サイボーグのサイクロンマークによく似ており、その点でも変身サイボーグとの世界観の共有化が窺われる。 |
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裏表紙 表表紙 |
『小さな巨人 ミクロマン』 昭和50年 単体ミクロマンに付属の豆本型解説書。上の大型カタログの要約的内容で、初代ミクロマンの行動が中心。M201シリーズに付属していたと言われる初期版には、プロトタイプの図が載っている。後期版にはビクトリー計画の記述がある。 |
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初期版より |
後期版より |
プロトタイプヘッド箱裏 |
『フィギュア王No.49』 平成13年11月30日発行 株式会社ワールドフォトプレス フィギュア王限定ミクロマンM115・M125セットの発売に際し、M115&M125誕生ストーリーが掲載された。限定ミクロマンの箱にも同じ文章が記載されている。この内容は元々のカタログなどのストーリーにはなかったものである。これまで、タワー基地になぜM115という番号がついているのかという疑問に対して、浪曼堂の『ミクロマンアナリシスブック』における「宿主を持たないブレスト説」のように魅力的な考えが挙がっていたが、いずれも推測の域を出ないものだった。フィギュア王の記事によりようやく公式の解説がなされたわけだが、これでアナリシスブックの説は公式設定としての地位から遠ざかってしまったことになる。それでも、カタログや広告にのみ登場するプロトタイプのミクロマンやメカにも新たに公式の設定が付与され、いくつもの謎が一挙に解決を見たことは画期的な出来事だった。なお、マイクロワールドでプロトタイプミクロマンが初めて製作されたときには、M11p ビット及びM12p メガと名付けられていた。 ミクロアース物語0.03への掲載に当たっては、記事の欄外に記されたモーガンの行動をも取り込んだほか、従来の文脈とのつながりを生かすため、最小限の文章付加を行った。 |