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 ゴムキャタピラを自作せよ 1 

公開 平成21年8月10日
最終更新 平成26年3月16日

昭和50年台に発売されたロボットマンのキャタピラに使われているゴムは、劣化して切れていることがよくあります。
ですから、こんな風に、ゴムキャタピラのなくなったジャンクによく出会います。キャタピラさえあれば色んな遊び方ができるのですが。
平成12年に発売された復刻版ロボットマンのキャタピラは、切れにくくするために材質が変更されました。しかし、このキャタピラの経年劣化はさらに激しく、数年でゴムらしい柔軟さを失ってしまいました。これでは走行できません。
 


キャタピラを修理するために、これまでにも色々な方法が提案されてきました。以下にその主なものを紹介します。

1.ゴムキャタピラ付おもちゃで、仕様の近いものを流用する方法

今では入手困難ですが、緑商会ジュニアモグラス復刻版のキャタピラは、ロボットマンにピッタリです。長期間つけていると切れてしまうことがあるので、片付けているときははずしておかなくてはいけません。

その他にも、ダイヤペットのパワークレーンや、ダイヤブロックのブルドーザーのキャタピラも多少きついですがロボットマンに使えます。

いずれの商品も必ずおもちゃ屋さんに売っているとは限りませんが、よく探せば使えるものが時々見つかります。しかし、これらのおもちゃからゴムキャタピラをはずしたら、残りの部分が使えなくなるのは惜しいです。


2.切れたキャタピラを瞬間接着剤でつなぐ

切れたキャタピラが残っていれば、瞬間接着剤を少量つけてつなぐことができます。ゴムに対する瞬間接着剤の強度はかなりあり、張力をかけて動かしても平気です。ただし、接着していない所でゴムがまた切れる恐れは残っています。


3.切れたキャタピラをパンク修理用のパッチでつなぐ方法

ゴムが劣化してボロボロになっている場合は、パンク修理用のフリーサイズゴムパッチでつなぐことで使えるようになります。キャタピラの裏にゴム糊を塗って乾かし、キャタピラのサイズに合わせたパッチを強く押しつけて貼ります。段差ができるので、裏の全面にパッチを貼ります。パッチの分だけキャタピラが厚くなるのは仕方ありませんが、あまり気にしなくてもいいと思います。


これから私の提案する方法も、そういった素人上がりの技法と同じように、中途半端なものに過ぎないかもしれません。とにかく、百聞は一見に如かず。苦労して編み出した方法をよく見てください。

4.自転車のチューブからとったゴム片を多用途接着剤でつないで自作

古くなったタイヤチューブなら、近所の自転車屋へ行けばただでもらえます。ホームセンターでは平らなゴムシートも売っていますが、チューブの立体形状の一部を利用するのがいいのです。そしてこの風船のようなしなやかさがいいのです。また、不用品の再利用という、はやりの言い方でいうと「エコ」なやり方が、自治体にも懐にもすごくいいのです。

使うのは厚さ1mmの自転車用チューブです。利用できる部分は限られていて、傷も模様もついていないゴムがいいので、きれいな部分を選びましょう。外側(接地する面)には貼り合せた線があるので使えません。側面も扇形なので使えません。まず大まかに内側を幅15mmほどのベルト状に切り取ります。

切り取ったら、表裏とも洗剤でよく洗いましょう。ベルト状に切り取ったゴムは、タイヤチューブの形の時の歪みが消えるため、少し変形し、サイズも変わります。この状態でもう一度、幅11mm、長さ180mmの長方形に切り取るための印をつけます。
黒の油性ペンで直接線を引いてもいいですが、マスキングテープを使うと簡単でした。
次にキャタピラの凸部にするための11mm×2mmのゴム片を作ります。
そのためにこれまでと同じようにして、幅11mmのゴムベルトを作ります。2mm間隔で切り取り線を書き、はさみで45本切って作ります。切り終わりの所で歪みのために切り口が斜めになりやすいので、気をつけてください。コツは、力が入りすぎたら戻して、少しずつ切ることです。よく切れるはさみを使うことも大切です。
ちなみに、凸部の数は復刻版ロボットマンで45本、旧製品で48本となっています。
作業効率を上げるために、ラベル用紙で型紙を作ってゴムベルトに貼ってみました。型紙を貼ることでゴムの湾曲も抑えられます。また、色分けすることで組み立ての時に間違えにくくなります。長い方は裏(凹面)に、短い方は表(凸面)に貼ります。型紙のサイズは下の通りです。幅2mmのゴム片を作る時の切り取り線になるだけでなく、凸部を接着する時の位置合わせにも役立ちます。

短い方のゴムベルトをはさみで切ってゴム片をたくさん作るとき、切り終わりのところで歪みのために切り口が斜めになるのを防ぐために、ゴム片の短辺を切り落とさずに残して最後に切り落とすといいようです。
ゴム片が45本用意できたら、長いゴムベルトの表(型紙の貼ってない方)にゴム片をスーパーXゴールドで接着していきます。一本一本丁寧に、竹串やピンセットを使ってきれいに貼りましょう。スーパーXGがはみ出ても、後で取り除くので気にしなくていいです。ゴム片の黄色い部分の向きをそろえて接着してみましたが、バラバラでも構いません。
スーパーXシリーズにも色々ありますが、硬化後の性能にそんなに違いはありません。ただし、硬化するのはスーパーXゴールドが一番速いようです。
 
ゴム片を貼り付ける場所は、裏の型紙の白い部分に重なる位置です。
一番端のゴム片は最後に接着します。それ以外のゴム片を全て接着したら裏の型紙を剥がし、ゴムベルトの両端にスーパーXGをつけて輪にし、裏からセロテープで補強します。最後のゴム片をつなぎ目に接着したら、表からもセロテープで補強して固まるのを待ちます。力のかかる部分なのでしっかりと接着しましょう。
また、ゴム片をたくさん接着してからゴムベルトを輪にするのでなく、ゴムベルトの両端をつないでからゴム片をたくさん接着することも試してみました。作業しにくい割りには仕上がりにあまり差がありません。平らな場所で作業できるよう、ゴムベルトを輪にするのは後にした方がいいみたいです。
補強のセロテープを剥がしてゴムベルトのつなぎ目に隙間があったら、スーパーXできれいに埋めておきましょう。
スーパーXが完全に固まったら、型紙を全て剥がします。小さくて大変ですが、カッターの刃を差し込むなどして丁寧に剥がしましょう。粘着剤が残っていると、剥がした跡がベタベタしてしまうことがあります。型紙にラベル用紙を使うよりも、普通紙と両面テープの方がいいかもしれません。マスキングテープなら粘着剤はあまり残らないでしょう。
型紙を剥がしても、はみ出たスーパーXGが濡れたように光って目立ちます。スーパーXブラックという接着剤もありますが、つやがあるためきれいになりません。
光っている部分は、棒やすりで削ってやればきれいになります。この作業でゴム片がはがれることがありますが、また接着すればいいです。
棒やすりは細くて断面が□や△のものがきれいに仕上がります。
つや消しになったら完成です。
ロボットマンに取り付けた状態です。
工作が多少雑だったとしても、遠目には純正品と変わらないでしょう。装着したままで5年経ったものもありますが、つなぎ目の接着強度に全く問題はありません。

このベルトをつけてやってみたかったのが、ロボットマン・ハイパー・ドライヴ・モードとドリル戦車の合体です。
メッキのロボットマンは復刻版ロボットマンをベースにしているため、キャタピラがいかれていたのですが、自作キャタピラで性能をフルに発揮しています。走行性能も問題ありません。

ゴムチューブの接着に使える接着剤はほかにもあります。模型製作によく使われるアロンアルファなどの瞬間接着剤はゴムを強力に接着できます。ただし、接着面は硬くなるため、弾力が必要なキャタピラの素材にはなじまないだろうと思い込んでいました。それでも、ゴムを接着する強さではスーパーXに勝るとも劣らない性能を発揮することから、試す価値は充分あります。
まずは、両面テープで型紙を貼ったチューブを切り抜いてゴムベルトとゴム片を作ります。
幅5mmの両面テープをゴムベルトの表側の半分に貼り、仮にゴム片の位置を決めておきます。
ゴム片とゴムベルトの隙間の、両面テープのない部分にマイクロノズルで瞬間接着剤をつけます。
仮止め用の両面テープを剥がして、残りの部分にも瞬間接着剤を流し込みます。低粘度の接着剤なので、塗り広げなくても毛管現象で隙間に入っていきます。接着剤を充分な量流し込まないと接着できませんが、なるべくはみ出ないように気をつけましょう。
はみ出た接着剤は棒やすりで削ってやりましょう。完全に固まってからでないと、ヤスリが目詰まりを起こしてしまうので気をつけてください。ゴムベルトの両端はまだつながないで、平らな場所で作業した方が、力をかけやすいです。
接着の弱いところを見つけたら、その都度接着しなおします。
裏の型紙を剥がし、ゴムベルトの両端を瞬間接着剤でつなぎます。接着面積は小さいのに、かなり強力につなげることができます。
つなぎ目に残り1本のゴム片を接着します。
カッターなどで型紙を剥がして完成です。瞬間接着剤が硬いという感じは全くしません
左が旧製品、右が瞬間接着剤で作ったキャタピラです。
棒やすりを使ってもはみ出た部分はなかなか消せませんが、接着剤の艶は目立たなくなります。
スーパーXで作ったキャタピラとも比べてみました。左が旧製品、右がスーパーXで作ったキャタピラです。
棒やすりを使えばはみ出た部分は容易に除去できますが、除去しすぎると接着強度が確保できません。また、少しでも除去しないで残っていると艶が目立ちます。

2種類の接着剤には一長一短があり、どちらがいいとは断定できませんが、作業の丁寧さや習熟具合が充分であればどちらの接着剤でも満足のいく結果が得られるでしょう。それぞれの特徴を、あくまでも私の主観ですが、表にしてみました。

スーパーXゴールド アロンアルファ
接着強度
硬化の速さ
弾力
接着後の修正のしやすさ
はみ出た部分の目立ちにくさ ×
はみ出た部分の除去の簡単さ
仕上がりの美しさ


WAVEから発売されている黒い瞬間接着剤を使って組み立ててみました。アロンアルファに比べて、はみ出た部分の目立ちにくさが改善しました。普通の模型作りでは接着位置がシビアな場合にも使えるよう硬化時間に余裕があるのですが、ゴムを接着すると押し付けた瞬間に固まってしまいます。ピンセットを使って部品を慎重に接着箇所に近付け、エイヤっと押さえて接着するしかありません。それでも、竹串に適量を取って塗布することができ、はみ出し方は最低限ですむようになりました。わずかにはみ出た接着剤は、まだ液体のうちに竹串で拭い取ってしまえます。棒やすりで最後の仕上げをするのも楽です。熟練した技術が必要なのはこれまで通りですが、うまくやればかなりきれいに仕上げることができるでしょう。
平成21年10月5日追加更新


5.液状ゴムを型に入れて硬化させる方法があった!

プラキャストみたいにガレージキットの手法で作れたらいいと思って、必要な物性をもった材料を長い間探していました。そしてK−1さんがついに常温硬化型のポリウレタンゴムでゴムキャタピラを作ることに成功しました。

どこにでもある素材ではありませんが、東急ハンズのネットストアで検索したらありました。
この素材は粘性が大きくて型の細部まで材料が入っていかないことがあるようですが、真空注型のできるK−1さんなら使いこなせます。
ウレタンゴムでできたキャタピラでミクロロボットがバッチリ走ります。最初は摩擦が足りないように感じていたところ、両輪履かせたらうまく走ったそうです。
型はプラ板を切り貼りして作るそうです。写真の黒いキャタピラは、元の製品よりも少し幅を広く設計したものです。
3D造形が身近なものになってきて、ガルパンブームからも動かせる履帯の需要がありそうなので、これは注目ですよ。自転車のチューブでできた手作り版のありがたみには代え難いものがあるとしても、広く普及させるにはやはり生産性の簡易さも必要だろうという意見には賛成です。着色もトナーで容易にできますから、ウレタンゴムを使うメリットはかなり大きそうです。
また、レディーコマンドのスカートをウレタンゴムに置き換えれば、スカートらしいしなやかさを具え、可動範囲も広げることができます。ウレタンゴムはキャタピラのほかにも様々なシーンで活用できる素材ですね。
平成26年2月15日追加更新


自作キャタピラの適用先としては、歴代ロボットマンのほかにも、ロボットマシーンZ、メカアクロイヤー、ライトン、ミクロロボット-1、ロードステーション基地、エスカルゴ、スパイボーイ、コズミックファイターなどが考えられます。
補修技術を磨いて、ミクロマンのメカをどんどん甦らせましょう。

ゴムキャタピラの自作技術を用いて復元可能なメカ
メカアクロイヤー
ライトン
ミクロロボット-1
ロードステーション基地
ロードステーション基地
マリンコプター
エスカルゴ
スパイボーイ
コズミックファイター


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