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第2部 第2話  ■TVアニメマガジン1983年5月号■

〈あらすじ〉

ミクロカセットロボはアクロイヤーからサラムとタカシを守ろうとして次々とやられてしまった。
もう最後かと思った時、地球にいた10人のミクロマンがやってきて反撃を始め、アクロ軍団は異次元へと退却していった。
仲間たちは光の雨といじょう電波をキャッチしてかけつけてきたのだった。

ミクロマン10人は、M(ミクロム)2000のモジュールを回しゅうするため全国にちらばっていった。
数日後、タカシはサラムと手わけしてモジュールをさがすことにした。
サラムは用心のためピストルを1丁タカシに持たせた。
ユカと一緒にモジュールを拾っていると、草むらからアクロサタンの一団が現れた。
タカシはピストルで勇敢に戦ったが、ミサイルの爆発でピストルを手放してしまった。
するとピストルがロボットに変形し、ガンロボ1体でアクロサタンをぜんぶやっつけてしまった。

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〈ミクロチェンジ編第2話解説〉

冒険王は今月からTVアニメマガジンとなり、版型はB5から横幅が15%広いワイド版になりました。
講談社のテレビマガジンでも同じことがありましたが、TVアニメマガジンはそれより半年早いです。
一方、ページ数はそれ以上に減り、246ページあったのが190ページになりました。
「ミクロマン」のページ数も12ページから8ページに減らされました。
ページの減らなかった「ミクロマン読者クラブ」は、そのまま情報量(文字数)が15%アップしています。

ミクロマン読者クラブには、たどたどしい低学年児のおたよりがたくさん載っていました。
対象年齢は上がっていないみたいで、むしろ新しいファン層の獲得に成功したようです。

元々ページ数の少ない冒険王版ミクロマンですが、さらに減って話が中途半端になったかというと、そんなことはなく、ガンロボの大活躍で終わるストーリーはうまくまとまっています。
ピストルがオモチャじゃなくて本当に撃てるだけでなく、ロボットにチェンジし、しかも強いという、何重もの驚きが隠れていることがすごいです。

悪役が強くなくちゃ面白くありませんが、アクロイヤーには組織立った動きが見られます。
指揮官のアクログリーン1体とアクロサタン8人以上で隊が構成され、アクロサタンは構えた光線銃を、アクログリーンはアクロクローの間から光線を撃ってきます。
発射口がかっこよく描かれています。

10人のミクロマンは池原版とは全く顔が違います。
001アロムが準主役なみにかっこいいお兄さんとして描かれており、011サラムもこのくらいかっこよくしてほしかったと思いました。
ウェーブブレストです。

002イリヤは角刈りで眉がつながった体育会系です。
ブラッキー配色です。

池原先生が殆ど登場させなかった007キルクはちゃんと出てきますが、何とM254スチュアート・ウェインになっています。
配色とステッカーがそうです。
碧眼で、外国人っぽく描かれています。
タカラが古城先生にキルクの実物資料として間違えて渡したのかもしれません。

あとのミクロマンはその他大勢っぽい扱いですが、個性が描き分けられている感じがします。
池原版の主役だった009ケンジはリーゼント頭の普通の人になりました。

ミクロマン10人はスーパージェットみたいなオリジナルマシンに乗り、全国のモジュール回収のためという理由で去っていきます。
登場早々の退場は非常に残念ですが、商品としてはもう売っていないことを考えると仕方ないかもしれません。

草むらから再び襲ってきたアクロ軍団は全員アクロサタンで、異次元に逃げることなくガンロボに殲滅されてしまいます。
戦闘員のような雑魚扱いなのかもしれません。
アクロサタンがニューアクロイヤーの格下扱いなのは、絵的に納得できると思います。
アクロサタンはサタンプロテクターをはずせば個体差は全くなく、大変没個性的です。
一方アクロイヤーは色以外にもボディの形から3種類あり、キャラが立っていることから幹部扱いが似合います。

池原版ではアクロサタンとアクロ星人を区別していました。
アクロ星人の少数のミュータント(突然変異体)のみをアクロサタンと呼ぶらしいのです。
池原版の途中でアクロサタンは死んだので、似たような顔のやつが出てきても、それは普通のアクロ星人と呼ぶか大づかみにアクロイヤーと呼ばなければいけません。

古城版では一度も「アクロサタン」という言葉は出てこないので、この言い習わしを継承しているとも言えます。
しかし古城先生としてはそこまで細かく区別する必要は感じていないようで、「アクロ星人」も使っていません。
読者として古城版を論ずる場合は、見た目の区別上の意味で「アクロイヤー」「アクロサタン」と呼んでいいのではないかと思います。


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