未確認キャラクター

グリーンスターやスパイマジシャンリーダーのように、カタログに登場したにもかかわらず当初は発売されないでいたキャラクターがありました。
それは多くのミクロマンファンの目にとまり、性格付けについて色々な憶測が流れました。
長い間ファン同士で交わされていた噂はメーカーをも巻き込み、やがて正式な商品として発売されるにまで至ります。

一方、カタログにすら掲載されず、殆どの愛好家に存在を認められていないキャラクターがあります。
雑誌広告など、時間がたてばあまり人目につかなくなるメディアで紹介された未発売アイテムです。
それらはさらに改良が必要な「試作品」に過ぎなかったかもしれません。
しかし、それは正式発売された商品に比べて今の目で見ても決して何かが劣っていたわけではありません。
そのような未発売品にスポットを当て、その価値を見出していこうとするのがこのページです。

このページの画像について、出版社へのお問い合わせはご遠慮ください。

イエロードーベル

不透明の黄色いドーベルマシンです。肩に白い部分があって、いかにも試作品という雰囲気があります。ドーベルライダーに変化するときのパーツは黒が似合いそうです。

テレビマガジン1976年4月増刊号より



児童誌1976年11月号広告より
レーシングタイタン2 T430 フォボス

自作しようと思えば、イカルスとダイモスを組み合わせ、黒い手首をつけて、即席で作り上げることもできます。しかし、かかとが別部品で構成されており、厳密に同じものを作るのはかなり困難でしょう。実際に発売された商品で可動箇所が減ってしまったのは残念です。また、白いフォーミュラカーも発売されていません。ストライプのステッカーはダイモスやレグルスのものと似ていますが、貼り付ける位置が左右逆になっています。
モノクロのボディは、ミクロマンガムの懸賞品を想起させます。エジプトン、ハーキュリーなどに似た生い立ちを考えることもできます。
発売されたレーシングタイタン2に、T431ダイモスがいます。ダイモスDeimosとは、火星に2つある衛星のうち小さい方です。大きい方の衛星Phobosの名を持つミクロマンの仲間は確認されていません。いたとしたら、この白いレーシングタイタン2がきっとそうです。神話では、PhobosとDeimosは軍神Aresに付き従う2人の息子とされています。それに倣えば、「フォボスはダイモスの兄であり、タイタン星では常に行動を共にしていたが、何らかのトラブルによりミクロマンと合流することができなかった。」という生い立ちがありそうです。何が兄弟を引き裂いたのか、再会はかなうのか、と考えるのも面白いです。


アクロカーもダッシュローラーもまだなく、ステッカーも決まっていませんでした。実際のアクロイヤー軍団の価格は、50円高い300円になりました。アクロキットという呼び方は、200円のミクロキットに対応したもののようです。

オレンジと青のエイロイヤー 車輪の大きなタコロイヤー 肩の黒いデビルス 児童誌1976年11月号広告より
実際の商品の配色
翼と尾びれと腕→赤
胴体と目→薄い青
目の色が胴体と異なると、強烈な印象を受けます。「ぬうっと現れては目から破壊光線を出す」という設定はこちらの方が似合っているような気がします。
実際の商品では、車輪の幅は2mm程しかありません。 頭部のメッキが施されておらず、黒いままです。肩の部品の色が腕と異なり、部品分割の様子がよくわかります。


U600 イチロー
タローと似ていますが、よく見ると違うからイチローです。
ひざが横に曲がっていて、かなりのガニ股です。体の色も青かと思ったら真っ黒。目や腹のメーターに色がついていて、カタログのイラストに近いです。ユニーカーマークの上の方が商品と違っています。

テレビマガジン1977年11月号より
酔っ払いライトン
顔が赤く、ニッコリ口をあけたライトン。白い部品は黄色で成型されています。正式商品の意地悪そうな口より、こっちの表情の方が好きです。
隣のトケイダーのばねは、正式商品ではプラスチックで本体と一体化しています。


未確認タイタンコマンドとジムカ (1) 

3号は変更なし
1号試作色
NG版4号(3.5号)
2号試作色
児童誌1977年3月号広告より
F4マグマード試作色



製品版に近い4号

F3アポロード試作色

F1コスモード試作色

F2タイバード試作色

F4マグマード試作色

 タイタンコマンドには広告に載った試作品が多くあります。その多くは単なる色違いですが、形から製品版と異なっていたものが、いわゆるタイタンコマンド3.5号です。タイタンコマンド4号は飛行機のスタイルをしたタイタンの仲間ですが、当初は上の写真のNG版4号のような、普通のロボットだったようです。騎士風の顔を見て、スペースナイトの元になったのではないかと想像をするのも楽しいです。2号の胴体を後ろ向きにして撮影したのは、自動車のエンジンのようなモチーフがかぶるからでしょう。ただし胴体は似ていますが同じではなく、3.5号の方が腰のくびれが強く、排気管のような肩の部品が短いなど、全く別の造形物として作られています。特徴的な形の腕はひじの部分が赤く、5mmジョイントで分離できそうにも見え、手の造りとともにどのような機能があったのか興味深いところです。一緒に写っているジムカF4マグマードには、飛行機型のタイタンコマンドが合体するときに機首部分が納まる窪みがあります。この写真の撮影時、既に製品版4号は開発中だったのでしょう。もしかすると同じようにエンジンのようなブレストを持つ2号と3.5号のうち、どちらかをNGにしようかと比べていたのかもしれません。そうなればいかにもロボットらしい安心できる顔立ちの2号の方が好まれたのかもしれません。別のページには右上のような、製品版に近い4号の写真があります。こちらはまだ車輪がなく、メッキは銀塗装です。3.5号が載った広告写真は上の1枚だけしか公開されておらず、大変貴重なカットです。
 『ミクロマンブック』のミクロマン人名じてんによると、タイタンコマンドT481は、「飛行機のスタイルをしていても、ずのうはタイタンだ。情報をすばやくあつめられるように、じぶんからすすんで、ボディーを改造したのだ。」とあることから、改造する前は別のボディーだったはずです。それがこの3.5号と呼ばれているボディーだと思われます。
 なお、タイタンコマンドのロードスとは、飛行機のスタイルをした4号タイプで、ブラックタイタンのハーキュリーが改造された姿であると当研究所では考えています。そして改造と同時にハーキュリーの名をT461に与え、自分は新しい名前を名乗ったのです。ですから、ロードスの色は黒いボディーに白い翼です。白いジムカF4ハーキュリーロードスは、ガムの景品(オリテクを参照)として写真が残っていますが、戦死したロードスやハーキュリーの愛機だったのでその名で呼ばれているのだと考えると、違和感はないと思います。
 さて、その他の色違い品についてですが、どれもいかにもありそうな色なので、よく調べないと試作品だとは気がつかないかもしれません。実際、1号の試作色である黒・橙は、3号ファイアスに使われています。2号の試作色である赤・黒は、製品版の橙・黒と区別しにくいですが、配色が異なっているのにも気付きにくいかもしれません。T461ハーキュリーは、腕とすねが黒、ももとつま先が橙です。
 ジムカの色もややこしいことになっていて、試作F2の赤・黒はコスモードF1-Sの赤・スモークブラックに対応しています。しかし試作F1の橙・赤や試作F4の青・青に対応するものはありません。試作F3 のブルーシルバー・銀には、アポロードF3-SSのブルーシルバー・スモークブラックが対応しますが、キャノピーがソリッド色からクリヤー色になっただけの微妙な違いです。この際、ステッカーの有無は誰でもわかることなので論外にしています。


未確認タイタンコマンドとジムカ(2)
翌4月の広告には、また別の色のタイタンコマンドとジムカが掲載されました。左の1号と2号の試作色もいいですね。特に1号は、まるでゼロナンバーメンバーのようなモノクロ配色です。名づけて、T450 コスモス。コスモードの名は彼に由来しているという設定です。腕の黄色いT460の名前はちょっと思い浮かびませんね。ジムカのキャノピーはクリヤー色になりましたが、ジムカ本体と同系色になっているのは製品版にはない組み合わせです。

↑別ページの懸賞写真
ジムカF1とF2の本体は左の写真と同一のようです。タイタンコマンドは製品版と近いですが、4号T481の翼が黄色(実際は白)になっています。なぜか機首が逆さまに取り付けられています。ジムカF4本体は写真の通りカッパーのものもありますが、T481ネプチュスとの組み合わせではなく、本当はT482アルファスと合体します。F4以外は3台とも色が違います。キャノピーの組み合わせもでたらめです。


未確認タイタンコマンド一覧表
  Tコマンド1号 Tコマンド2号 Tコマンド3号 Tコマンド4号
3月号
※配色規則が異なる

※配色規則が異なる
NG版4号
4月号広告 - -
4月号記事
※シールなし
正式発売





白)




未確認ジムカ一覧表
  コスモードF1 タイバードF2 アポロードF3 マグマードF4
3月号 銀水 青 青
4月号広告 銀紺 透明青 透明赤 - -
4月号記事 銀紺 透明赤 透明黄 透明黒
※シールが異な
透明青
※シールが異なる
正式発売 透明黒

銀水 透明青
透明赤

銀紺 透明黄
透明青

銀青 透明黒
(白 透明赤

透明黄

透明赤


シンプルなモアイ型カプセル

コマンドのマークやロゴがついていません。
M111顔の1号やM121顔の2号は、カタログにも載っていてわりと有名なので、お手軽に自作する人もいらっしゃいます。


児童誌1977年3月号より


研究報告
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