ミクロアース物語 -0.01 |
ミクロアースの家庭生活
人々は理想的な環境の中で、快適な生活を送っている。ミクロポリス(超近代都市)の近郊には、市民の住むライフタウン(居住区)があり、そこには自然が多く残されている。緑にかこまれた、各家庭はタップリとしたスペースと充分にオートメーション化された設備をもつ。各家庭には、中央集光子エネルギーセンターから送られてくる光子エネルギーのパワータンク(蓄積装置)がもうけられ家中のエネルギー源となっている。
ライフタウンには、多くのミクロパーク(緑化公園)がある。ミクロパークには四季おりおりの自然を楽しめる遊歩道や公民館、図書館、スポーツ施設、レジャー施設などもあり、人々のいこいの場所となっている。また電磁スクリーンがドーム状にはられ、雨天でも、楽しむことができるようになっている。
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オートメーション化されている家庭生活
ミクロアースでは、より快適な家庭生活を送るために、いろいろな家庭機器がオートメーション化されている。単に機械による自動化ではなく、そこには、人間の意識回路が組みこまれているので、ひとつひとつが個性を持ったオートメーションシステムとなっているのが大きな特徴である。
立体テレビ(TDTV)
テレビを見ているのになぜか、その場面の世界にいったようになるのがTDTVだ。その画面は完全に3次元の世界のリアルな映像をうつしだす。100のチャンネルの中から好みの番組を選ぶことができ、もちろんTDVTR(立体ビデオテープ)メかも内蔵されている。
テレビ電話
声だけで話をするのが現在の地球で使用されている電話だが、ミクロアースでは、スクリーンに相手の姿がうつしだされるテレビ電話が主流になっている。意識回路の働きにより、相手にコールするのでボタン操作をあやまっても、ほかの電話には通じない。だから間違い電話はないし、いたずら電話も不可能だ。
オートクッカー(自動調理器)
コンピューターにセットされた自動調理器で、ボタンひとつで食べ物があらわれる。これは意識回路により、プログラマー(調理する人)の個性が味となってでてくるので好みの味を楽しめる。
テーチングマシーン(学習器)
コンピューター内臓の家庭用学習器だ。学習する人の能力に合わせた家庭用学習器だ。学習する人の能力にあわせたプログラムが組まれ、わかるまで反復して教えてくれるマシーンの家庭教師だ。
スペースステレオ
ダイナミックで臨場感あふれるステレオだ。聞く人の頭の中に立体的音響空間を作り出せるので、演奏会場の中にいるように感じる。また同じ音楽でも好みの演奏家によるサウンドを選択できる。
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ミクロアースの生活
ミクロアースの旅行
労働時間が少ないミクロアースでは、レジャーとしての旅行がさかんだ。亜光速のコスモジャンボ(旅行用の大型宇宙船)のコスモライン(宇宙航路)が地球の月にあたるラムーンや、火星にあたるボラ星に開かれているので、手軽に宇宙旅行が楽しめる。ハイスクールの修学旅行では毎年ラムーンにいっている。またスペースシャトル(宇宙連絡船)を使ったミクロソル系一周の遊覧飛行コースも開設されている。
ミクロアースのレジャーランド
レジャーを楽しむために大きなレジャーランドも各地にある。無重力の中をジェットコースターで走る《コスモコースター》やイメージマシン(幻覚装置)を使った《タイムトラベル(時間旅行)》、無重力カプセル内をまわる《コスモゴーランド》などに人気がある。
またラムーン(月)には広大な敷地を利用した、総合レジャーランドが建設され、ミクロアースの人々を楽しませている。
ミクロアースの動物
地球と同じようにミクロアースにも、いろいろな動物がいる。ペットとしてポピュラーなのはやはり犬や猫、鳥などだ。ペットはすべて登録され、頭の一部に命令系統の超小型装置が組みこまれている。だから人間の命令をすなおに聞き、野生に帰って凶暴になることもない。
野生の動物は各地のレジャーランドにある動物園で飼育されている。
またコスモ・ズーと呼ばれる宇宙動物園には、ほかの惑星のめずらしい生き物がカプセルの中で飼われている。
ミクロアースのファッション
ボディにぴったりフィットしたボディスーツが最新流行になっている。色、柄、素材も多彩なので、地球のファッションとはかなりちがう。
衣服はすべてオーダーメイドで、クロウジングソー(衣服製造装置)により、サイズ、色、光沢、柄などをわずか数秒で作りあげる。ブティックではデザイナーがプラストスプレーという特殊なスプレーを身体にふきつけ、流行のファッションを創ってくれる。
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ミクロマンの職業
ミクロアースも地球上と同じようにいろいろな職業がある。ミクロアースは理想社会なので、利益を追求するための商売はなく、個人の能力にしたがって、ミクロアース全体の発展のために、職業について働いている。
宇宙パイロット
一番の花形職業は宇宙空間航行の光子ロケットのパイロットだ。強い精神力や多くの知識が要求されるので、パイロットになるには大変な努力が必要だ。
建築家
高層ビルや一般住宅を設計する。自分のイメージをトレーシングマシーンのコンピューターにいれ、スクリーン上で設計をすすめる。建築力学や構造学などのむずかしい知識と新しいイメージをもっていなければできない仕事だ。
医師
重傷の人や重病人などの医療にあたる。手術はオペレーションルームの外部から医療機器をコントロールしておこなわれる。手術そのものはコンピューターと連動する医療機器がやるが、それをコントロールするのが医師だ。人の命をすくう重要な職業である。
教師
未成年の教育指導をする。ティーチングマシーンの発達により、学習方法も大きく変わり、子供たちの情操や教養など、人間形成に必要な精神面を教育する。
ファッションデザイナー・小説家
どちらもイメージマシーンで自分のイメージを表現し創作活動をする。フレッシュなイメージとメカの操作技術が必要。
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ミクロアースのスポーツ
ミクロアースでは働く時間が5時間なのでレジャーが活発だ。その中でも一番さかんなのはスポーツだ。施設も充分にととのっており、新しい器械を使用したスポーツが行なわれている。
スペース体操
これは、地球の体操のように器械をつかって、ジャンプや回転などの空中運動をするものだ。反重力場の中での運動は、身体が空中にあるので、高度なテクニックが必要になっている。
ダッシュボール
サッカーとアメリカンフットボールをいっしょにしたようなスポーツ。手をつかわずにボールを相手のゴールにいれる。ボディチェックやタックルは自由で、一種の格闘技のようでもある。
タックリング
すもうとレスリングをあわせたようなもので、円型のリング場で戦う格闘技。リングの外にだされると負けとなる。
3次元ベースボール
ミクロアースで一番人気があるのがこの3次元ベースボールだ。地球の野球はグランドの上でやるが、これは空間でおこなわれる。反重力装置をつかって空間でボールを打ったり、守ったり、投げたりする。1チーム15人で5アウトでチェンジになる。反重力のスタジアム内なのでピッチャーはストレートのほかにいろいろな魔球を投げることができる。ジャッジはすべてスタジアム内のコンピューターによっておこなわれる。