ミクロアース物語0.06の文章について

 それまで世界観を横に広げてきたミクロマンワールドが、一歩進んで縦の展開、つまりストーリーの前進を開始する端緒となったのがスパイマジシャンシリーズです。ミクロマン3年目となる昭和51年中盤のストーリーを、以下の資料からそれぞれ最も詳しい記述を集めて制作しました。


『君のテレパシーで活躍する「小さな巨人」ミクロマン』 昭和49年

アクロイヤーという名称は文字だけで登場する。昭和49年の当時、その正体は謎とされていた。そのような扱いも、その後のストーリーの伏線であったと捉えられる。
ミクロアース物語0.06には、太郎君に起こった事件の部分を引用した。

『未知の星からやってきた ミクロマン』 昭和51年

スパイ・カーなどに付属の豆本型解説書。マシン・カーなどにも付属していたが、同じ商品でもこの時期以前に発売されたものには、もっと大きな『未知の星からやってきた小さな巨人 ミクロマン TAKARA'S MICROMAN-ZONE』が付属する。既にミクロマシーンや旧コスモ・カーシリーズは姿を消しているが、非常に豊富になった商品ラインナップが紹介されている。ミクロアース爆発からSコンビナートの決戦までの物語が載っていて、スパイマジシャンに関するストーリーは特に詳しく記述されている。ただし、F島沖でのスパイ活動の記述はない。
スパイマジシャンの商品紹介で、開発中のスパイ・カーのイラストやスパイマジシャン・リーダーの写真が使われている初期版と、実際の商品写真に差し替えられた後期版とがある。

初期版より  

後期版より
後期版にはスパイマジシャン8人のプロフィールも載っている。
M131(ディック)…スパイ学の権威で、緻密な作戦をたてる。
M132(ダン)…暗号の作成や解読がうまく、頭の回転は抜群。
M133(ダニー)…気取り屋だが射撃や爆破などの実技指導をする。
M134(デビット)…のんびりしているが、盗聴能力は抜群だ。
M141(ヘンリー)…軍事科学者で情報収集用武器も設計する。
M142(ハドソン)…一般教養とアクロイヤーにくわしい社会学者。
M143(ホームズ)…医学博士で応急手当法や毒物にくわしい。
M144(ハワード)…レインジャー訓練で敵地潜入方法を教える。
同じ人物紹介は他にもいろいろな資料に載っていて、字数制限の関係で若干の違いはあるが内容はほぼ一致している。これをさらに膨らませて書いたものに『ミクロマンブック』の「ミクロマン人名じてん」がある。ミクロアース物語0.06の人物紹介は『ミクロマンブック』の方から引用した。

『ミクロマン』 昭和51年

単体売りミクロマンに付属の解説書。73mm×323mmの帯状の用紙が折り畳まれてミクロマンのカプセルに入っている。上の解説書を小さくした内容だが、F島沖でのスパイ活動について記述しているのはこの解説書だけ。
開発中のスパイ・カーのイラストやスパイマジシャン・リーダーの写真が使われている初期版と、実際の商品写真に差し替えられた後期版とがある。

初期版より

後期版より

初期版

中期版

後期版
『ミクロマンスパイマジシャン〈スパイ編〉〈マジシャン編〉』昭和51年

スパイマジシャンに付属した、豆本型解説書。表紙は3種類存在する。後期版はM141シリーズにのみ付属したと思われる。〈スパイ編〉〈マジシャン編〉と記されているのは後期版だけだが、内容が共通であるため、表紙の異なる3種を同じものに分類した。
物語の記述は最小限で、スパイマジシャンの登場と訓練の風景が描かれているが、『未知の星からやってきた ミクロマン』を越えるような物語は書かれていない。主要部を占める2色刷りページでは、子どもがスパイ遊びをするための様々な情報を紹介している。最後に名前や住所などを書き込む欄があり、「スパイ手帳」のような作りとなっている。
初期版はカタログページに、開発中のスパイ・カーのイラストやスパイマジシャン・リーダーの写真が使われている。スパイマジシャンの人物紹介で、M131シリーズとM141シリーズのナンバーが入れ替わって載っているので、注意が必要。

初期版より

中期版・後期版より
初・中期版背表紙 後期版背表紙

『ミクロマンスパイマジシャン〈エスパー編〉〈ゲーム編〉』昭和51年

スパイマジシャンM131シリーズに付属した。上の後期版と同じ作りで、2色刷りページには超能力遊びをするための色々な手引きが載っている。

背表紙

『ミクロマン ミクロキット スパイマシン』昭和51年

ミクロキットに付属。MATキャンペーンのミクロマンマークになっている、長髪の赤いミクロマンが漫画で活躍する。スパイマジシャンのリングは出てくるが、ステッキは出てこない。MCIAについての記述があり、『未知の星からやってきた ミクロマン』の内容と重複している。カタログページは、開発中のスパイ・カーのイラストやスパイマジシャン・リーダーの写真が使われている、古い内容。

『ミクロマン スパイマジシャン』昭和51年

スパイボーイなど、スパイマジシャンよりも前からある商品が後で出荷された時に付属したと思われる。
白黒面で8人のスパイマジシャンのプロフィールを紹介している。

『アクロイヤー』 昭和51年

総統アクロイヤーに付属の豆本型解説書。
ミクロアース物語0.06には、海底でアクロイヤーが誕生した描写を引用した。

「アクロイヤーの変化組み立て方」昭和51年

白黒面はアクロイヤーA311シリーズの遊び方説明書で、カラー面にはアクロイヤー2の人物紹介が載っている。
マッドピンク(A-311)…異常性格の持主である。観念動力や人間の脳波を狂わすテレパシーを得意とする。
マッドグリーン(A-312)…悪知恵にかけては天才でありもともとは科学者であった為科学兵器を作るのがうまい。
マッドブルー(A-313)…アクロイヤーの中では一番の怪力の持主でおこりだすと最も狂暴になる。
ミクロアース物語0.06には、これを膨らませて書かれた『ミクロマンブック』の方から引用した。

テレビマガジン別冊『ミクロマンブック』昭和52年11月15日発行 講談社

ミクロアース物語0.06の画像について

 M131、M132、M133、M134の画像は、浪曼堂の復刻版スパイマジシャンを撮影したものです。オリジナル商品に比べると、腰と足の隙間がやや広いように感じます。左腕にリングをはめ、右手にステッキを持って体の前で構えるというポーズは、カタログの写真でよく使われていたものです。
 M141、M142、M143、M144の画像は、タカラによる復刻版スパイマジシャンを撮影したものです。
 A301、A302、A303の画像も、復刻版アクロイヤーを撮影したものです。
 A311、A312、A313の画像は、オリジナル商品のアクロイヤー(アクロイヤー2)を撮影したものです。カタログ写真では、フライングプレーンやアクロブレードを装備しないものが使われることが多いですが、こちらではアクロイヤーの説明書に倣ってフル装備で撮影しました。


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