ミクロアース物語 0.06

戦闘ミクロマン

 やがて全世界に不安な影がさしはじめていた。世界各地でつぎつぎに大事故が発生しだしたのだ。海洋を中心に不思議な事件があいつぎ、その原因はまったく不明であった…
 そんな時、ロードステーションの管制ゾーンに謎の飛行物体が突如進入してきたのだ。そして強健な身体をした、見るからに強そうな2人の見知らぬミクロマンが現れたのだ。彼らの話によると、スペクトルMXでアクロイヤーの住む海底近くで蘇ったが、本部には知らせずひそかにスパイ活動をしてアクロイヤーと戦っていたが数が増え強力になってきたので、仲間に協力を求めにきたのだった。そして、今世界で起こっている原因不明の事件はすべてアクロイヤーのしわざで、地球の征服を企てているという、驚くべき情報をつかんでいたのだ。ミクロマン達はそういう彼をスパイマジシャンと呼ぶようになった。
M131(ディック) M132(ダン) M133(ダニー) M134(デビット)
@1976年6月
Aイギリス・フランス間、ドーバー海峡の海底。
Bスパイ学のけんいで、スパイマジシャンのさんぼう格だ。アクロイヤーをたおすために、きけんなちょうさをしてたてたちみつな作戦は、コマンド部隊のたたかいを、かならず勝利にみちびくはずだ。
@1976年6月
Aフランス、パリこうがいの岩山。
B暗号をつくることや、かいどくにかけては、右にでるものがないほど、頭の回転はばつぐんだ。スパイマジシャンのリーダーとして、どんなきけんなところにも、先頭にたってしのびこんでいく。
@1976年6月
Aスペイン、シエラネバダ山脈の山おく。
B気どりやで、いつもかっこうばかり気にしている。からだに、ほこりがすこしついただけでも気にするタイプ。だが、しゃげきや、ばくはは百発百中のうでまえで、ほかのスパイマジシャンにとっては、訓練の先生だ。
@1976年6月
A北海、フリージア諸島の海底。
Bにんむについているときいがいは、ひるねばかりしている、のんびりやだ。だが、音をきく能力がばつぐんで、どこからともなくかえってきては、アクロイヤーのこうげき予定など、ものすごい情報を発表する。
 
M141(ヘンリー) M142(ハドソン) M143(ホームズ) M144(ハワード)
@1976年6月
Aメキシコ、サンルカス岬の海岸。
Bねらった情報は、かならずあつめてくるのがスパイマジシャンだ。そのために、ヘンリーは軍事科学者となり、いろいろなメカを開発した。スパイカーのほとんどは、みなヘンリーのせっけいによるものだ。
@1976年6月
Aニュージーランド、ウェリントンの地下水道。
Bミクロマンの中では、アクロイヤーにくわしいただ一人の男だ。まじめなうえに研究ねっしんで、これからのたたかいには、かかせない、じゅうよう人物。ミクロマン情報局で、わかいスパイマジシャンたちの先生をしている。
@1976年6月
Aインドとネパールの国ざかいの山の中。
B医学はくしで、とくに毒薬についてのせんもん家だ。かなりのいたずらずきで、食事中にジャックがとつぜんわらいだして、とまらなくなったことがあった。じつは、ホームズがスープの中に、「わらい薬」をいれたのだった。
@1976年6月
Aインドネシア、バリ島の小さな村。
Bミクロアースにいたときは、レーンジャー大会でれんぞく優勝したほどの運動しんけいのもちぬし。レーンジャーくんれんをとおして、てき地へのはいり方を、みんなにおしえている。

 公害によって汚染され、ヘドロの沈殿した海底に、長い年月に渡ってヘドロやPCBにすっかり侵された水晶体があった。そして、ある日突然水晶体がドロドロと溶け、中から奇妙にロボット化されたミクロマンが蘇ったのだった。汚染により頭脳が単細胞化され、良心機能がほとんど破壊されたミクロマン…それがアクロイヤーなのだ!地球を自分たちの星だと思いこんでしまったアクロイヤーは、地球上にアクロトピア(アクロイヤーのユートピア)を建設するために、綿密な計画を立て、その計画を着々と実行していったのだった。

 19××年 ○月○日
 友達と連れだって登校した太郎君。しかし通いなれた道なのに、青白い光がチラつくため、同じところをグルグルまわってなかなか学校へ着けませんでした。又、運動会の練習で先頭を走っていたのに青白い光がチラつき転んでしまいました。しかも家に帰ってTVをつけると、世界各国に色々な事件が発生していました。フランスでは、飛行機空中衝突事故。アメリカではハイウェイで20重衝突。ソ連では潜水艦とタンカーの衝突。
 太郎君は自分の身辺に起った事と世界各国の事故とに、共通点を発見しました。それは事故の起るところが必ず、ピカーッと青白く光ることです。
 太郎君は「ミクロヘルプ」の信号を送り、その原因をたずねました。それは、良心機能が破壊され悪徳機能が異常に発達した「アクロイヤー」だとのことです。次々と太郎君の周りや、地球上に起される事件、さて一体これからどうなるのでしょう。
 地球上にパニック状態を起しはじめたアクロイヤー。ミクロマンは地球の平和を守るため、アクロイヤーと戦争することに決定した。そしてミクロマンは子供達に危害がおよばないよう世界各地にセフティーゾーンを作って安全を図りました。

 アクロイヤーの情報をさぐるために、世界各地に潜入しスパイ活動をしなければならない…そこでさっそく、ミクロマン中央情報局(MCIA)が組織された。そしてミクロマンを訓練するために、スパイマジシャンたちがそのリーダーとしての任務にあたり、正式な情報局員をスパイマジシャンと呼ぶことになった。やがて、優秀な情報局員を送りだすため、リーダーのもと、日夜きびしい訓練が始まったのだ。MCIAに選ばれたミクロマンはここでリーダーによってきびしくきたえられた。一般教養や軍事科学、暗号の作成と解読、スパイ学のほか、実技では射撃や爆破のしかた、医学、盗聴、テレパシー、テレポーテーション(瞬間移動)などをロードステーションや指令基地、スパイヘリ、スパイマシンなどで猛特訓が重ねられたのだった。やがて、この苦しい訓練が終り、正式のスパイマジシャンとなった。そしてリーダーの指令によってアクロイヤーの正体をつかむべく世界へちっていった。
 それから数週間後、世界各地に潜入していたスパイマジシャンから、MCIA本部に続々とアクロイヤーに関する情報が送られ、コンピューターが的確に処理していった。その結果アクロイヤーの前線基地がF島付近の海溝にあるということがわかった。さっそくF島沖へスパイ隊が調査へ向かった。海面下5000m…あたりは真暗、スパイマジシャンは超赤外線メガネであたりをうかがった。その時、前方に青白い光がみえたのだ!とうとうアクロイヤーを発見したのだ。なんとそこには数100人のアクロイヤーが何かをしていたのだ。そこで数時間に渡って盗聴電波をMCIA本部に送信した…そしてついに、アクロイヤーの攻撃目標とその日時が解読されたのだった。

A301(レッドスター) A302(シルバースター) A303(ブルースター)
@1975年4月
A日本、東京湾のヘドロの底。
Bしぜん科学者。風や地震・波など、しぜんげんしょうの大きさ・強さをおもいのままにできる。風が強い日や海があれている日は、きっときみのちかくで、このレッドスターがあばれているんだ。
@1975年4月
Aイギリス、ロンドンのテムズ川の川底。
B毒物やさいきんにくわしい化学者。研究室にとじこもり、ぶきみなじっけんばかりしているんだ。
@1975年4月
Aイタリア、ナポリ港の海底
Bなさけようしゃないせいかくで、とくにきれいな花や鳥をみると、すぐににぎりつぶす。
 
A311(マッドピンク) A312(マッドグリーン) A313(マッドブルー)
@1975年11月
Aアメリカ、ニューヨークおき。
Bふだんはじつにおとなしい、だが、はいきガスやヘドロのにおいをかぐと、とつぜんあれくるい、念力やマッドテレパシーで人間をふみつぶしはじめる。
@1975年11月
A日本、瀬戸内海の工場地帯の海底。
B悪ぢえにかけては天才で、総統アクロイヤーがあらわれるまでは、アクロイヤーのボスだった。もとは科学者で、へいきをつくるのがうまい。
@1975年11月
Aイギリス、リバプールおき。
Bものすごい怪力のもちぬしで、おこりだすと、ときどき総統でも手がつけられなくなる。


 いよいよ決戦の時はきた…場所はSコンビナート。ミクロマンとタイタン連合軍は作戦通りのポイントに集結した。ザバーン、大きな水音とともに、ついにアクロイヤーが現れた。戦闘開始!戦いの火ぶたは切られた…空からはミクロ円盤、スーパージェット、ロボットマンなどが、つぎつぎにアクロイヤーを撃墜してゆく、地上からはマリンコプター、ミクロロボットなどが、凄絶な攻撃の応酬…不気味な黒煙と閃光がコンビナート一帯に広がり、やがてミクロマンの奇襲攻撃にひるんだアクロイヤーは、大空のかなたへと一時退却していった。
 …アクロイヤーとの戦闘は終った。今回の作戦は大成功だった。しかし戦いはこれで終ったわけではない。アクロイヤーは新しい軍団を組織して、ふたたび地球征服の魔手をのばしてくるだろう。本当の戦いはこれから始まるのだ!
 スパイマジシャンは今日もまた人間の目に見えないところでアクロイヤーと戦っている…平和のために。

解説


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