昭和51年の終盤にはアクロイヤー側にまでスポットが当たり、物語はさらに深まりを見せました。ミクロマンに対抗するかのように、アクロイヤーについてのミニブックが作られたのです。悪役を疎かにしないことで正義側の魅力を一層引き立てるという手法は、変身サイボーグシリーズでも見せたタカラのお家芸の一つです。
総統アクロイヤーが登場したのはミクロアース物語0.08が初めてですが、実は「0.06戦闘ミクロマン」の時点でアクロイヤー達を陰で操っていた可能性があります。総統の記述がなかったのは、アクロイヤーが総統の存在を隠していたことと、それを敏感に察知したミクロマンもそのことを悟られないようにしていたためだと考えられます。それが物語0.08では、総統が公然と登場してきます。
ミクロアース物語0.08の文章は、以下の資料からそれぞれ最も詳しい記述を集めて制作しました。
『アクロイヤー』 昭和51年 総統アクロイヤーに付属の豆本型解説書。この内容を中心にしてミクロアース物語0.08ができている。 この豆本冒頭の「地球征服の野望に燃える脅威の軍団」をページのタイトルとした。同じ「きょうい」と読む語でも、本文では「脅威」ではなく「驚異の超能力」「驚異のアクロイヤー軍団」と使い分けているのを踏襲している。 |
「MICROMANミクロマン」 昭和52年 コマンドカーに付属の豆本型解説書。 ミクロアース物語0.08の時期より後に発行されたものだが、タイタン2が駆けつけたことについての記述がある。 |
「タイタン・2」 昭和51年 レーシングタイタン2とUFOタイタン2の兼用解説書で、帯状の用紙が4つに折り畳まれている。タイタン2の能力や合体遊びを紹介する内容となっている。タイタン2誕生のエピソードには触れておらず、他の資料を見る必要がある。 ロゴには「タイタン」と「2」をつなぐ「なかてん」または「ハイフン」が見られるが、本文中では何も入れないで「タイタン2(ツー)」と表記している。 |
「ユニーカー軍団」 昭和51年 アクベーなどに付属の豆本型解説書。ユニーカー軍団誕生の秘密が語られている。ガンバレユニーカー軍団というギャグ漫画も載っている。 ユニーカー軍団の子分には、それぞれ言葉尻を次のように言う癖がある。 ライトン …でごんす、…ぞ〜、…で〜す、…だど〜 トケイダー …じょー カメラー …だよ〜、…だす etc. |
『マガジン《ゼロゼロ》』 昭和52年 ミクロマンコマンド3号やレディコマンドとセットで発売された大型の冊子。滅亡前のミクロアースの描写など、非常に多くの情報が載っている。物語0.08に関しては、まずスパイマジシャンによってアクロイヤーの情報がもたらされたのをきっかけに、タイタン2が地球に駆けつけたことが書かれている。総統アクロイヤーの出現についてはその後に記述があるが、前後関係は曖昧で、ミクロアース物語0.08では逆の順番で紹介した。 |