ミクロアース物語 0.19

海王星前線基地

 悪の手先デスマルクにはミクロマンブリザードの力で戦えるが、ハレー彗星にたち向かうには強力なストーム砲を開発しなければならない。そして《大ブリザードストーム計画》が進められた。しかし、今デスマルクに攻撃されたら地球を守りきることはできない。デスマルク軍団と互角に戦うにはあと2人のミクロマン・パンチが必要なのだ。そこで、バーンズとボブソンの2人が、改造手術をうけることになった1ヵ月後――新しいミクロマン・パンチが誕生した。時を同じくして「パンチ・ロボ」「パンチ・ジェット」も完成した。

 銀色に輝く6コの巨大な磁力ボールに支えられた超高性能マシーンが“ウイ〜ン”と金属音をたてて動き出した。ブリザードから学んだ磁力理論を応用した「ローリングサンダー1号」がついに完成したのだ
パンチ達すばらしいマシーンだ!! これで新タワー基地のかたきがうてるぞ。
セレス短い間によく磁力理論をマスターしたものだ しかし…残念なことに大ブリザードストーム計画は予定より遅れている。
ミクロマン=すると今、デスマルクに攻撃されたら……
ブリザードいずれにしても大ブリザード計画の完成を急がねば…。
 完成したばかりのローリングサンダーを囲んではげしい意見がかわされた。生きたミクロマンにサイボーグ手術をしてパンチと同じ力にパワーアップしようというのだがそれはあまりにも大きな危険が伴なうのだ。しかしバーンズとボブソンの2人はついにみんなを納得させ手術をうける事になった。
 メディカルエリアで連日、徹夜の手術が続けられているなか、ミクロマンパンチは「デスファイター」にたち打ちできるメカの開発にとり組んでいた。たしかにパンチはデスマルクより強い…しかしデスマルクが「デスファイター」と合体して軍団を組んで攻撃してきたら、はたしてローリングサンダーだけでどこまで通用するだろうか?
 4人のパンチは、「ローリングサンダー」を完成させたファクトリーエリア第2グループの協力をあおいで性能、目的の少しちがう2種類のマシーン、名づけて「パンチロボ」「パンチジェット」を開発していた。……
 1ヶ月後―――金色の特殊金属の皮ふに生まれかわったバーンズと緑銀の皮ふのボブソンがパッチリと目を開く、新しいパンチの誕生だ。時を同じくして2台のメカも完成!!



 星間帝王の野望から地球を守るためミクロマン達は、海王星に新たな前線基地を建設することになった。しかしそこへデスマルクの第2次偵察隊が現れまた激しい戦いが再開されたのだった。パンチロボとパンチジェットの力でようやくデスマルクを全滅させたかと思ったとき、巨大な黒いかげがミクロマン達をおおった。星間帝王の秘密兵器デスキングだ!ついに決戦のひぶたはきられた!

 パンチジェットとパンチロボ、それに6人のパンチとローリングサンダーの完成でわくミクロマン地球本部は、星間帝王が第2次偵察部隊を送り込む前に海王星に地球防衛前線基地を作ろうと休む間もなく海王星にとびたった。ワープにワープを重ねて、海王星に到着すると、「アクエリアス」と「スコーピオ」は、すぐれたレーダー機能を発揮して建設資材の調達に、「パンチジェット」はタンクに変形して基礎工事にかかる。「パンチロボ」は強い腕の力で基地の組み立てにかかっている。
 基地づくりを始めて、数十日がすぎたある日。海王星前線基地周辺の警備パトロールの任についている「ローリングサンダー」のレーダーに黒い影がポツンと映しだされた。ぐんぐん近づいてくる黒いかげは…?不安は適中した。デスマルク軍団だ その数約30体!!
 いきなり「デスマルク」の攻撃がはじまる。飛び立つ「パンチジェット」「パンチロボ」。「ローリングサンダー」は磁力ボールの働きで本体の重力をコントロールして自由自在に動きまわり「デスファイター」をほんろうする。 「スコーピオ」と「アクエリアス」からは、ブリザードストームUが発射されデスマルクのプラズマ光線をよせつけない。「パンチジェット」「パンチロボ」の参加によりミクロマン軍団は久しぶりに有利な戦いを展開している。
 どうした事か?とつ然、磁気が乱れ始める。磁気の乱れが最高に達したとき…ピカー…まっ暗な闇の中から強烈な光線が走る。アーッ!! 建設中の海王星前線基地がこっぱみじんに砕け散る。そして上空にうかぶ巨大な黒い影からは不気味な笑い声が……「見たかミクロマン。ワシは星間帝王じゃ!! ワシの秘密兵器「デスキング」の恐ろしさをたっぷり味わうがいい。」
 一瞬たじろいだミクロマンも、負けてはいられない。必死に「デスキング」のうしろに回り込もうとする、しかし形勢は不利。
 デスキング砲の威力に圧倒されて、苦戦を強いられるミクロマン。そのとき、「ローリングサンダー」のレーダーに新しい影が映しだされた。その影が肉眼でもはっきりわかる距離まで来ると、目もくらむばかりの白い嵐のような光が「デスキング」に向かって発射された。ミクロマンの秘密戦車「ブラックタイガー」のブリザードストームビームだ!! デスキングは形勢不利とみるとデスマルク軍団を引きつれて超スピードで退散してゆく。かろうじてピンチを脱したミクロマン、しかし本当の戦いはこれからだ ………
 危ないところでデスキングを撃退したブラックタイガーだったが、今度はデスキング以上に破壊力を持つ武器を完成させなければならない。それには、今のロボットマンUを改造してさらにパワーアップした新しいロボットマンを造るしか方法はない……。



《ミクロマンと星間帝王、戦いの記録》
 木星付近でミクロマンパンチの偵察隊とデスマルク軍団が激戦! デスマルクに対抗できるパンチロボとパンチジェットの完成したのはその後だ。火星付近でも、パンチロボとデスキングが一騎打ちで戦った。さらに火星前線基地を、デスマルク軍団がおそった。デスキングのデスカノン砲に対してブラックタイガーの、ブリザードストームビームで戦った。
 今まで、デスキングに苦戦を強いられていたミクロマン達は、これまでの戦いの経験を元に、ロボットマンUを大改良し、最強のロボット、ロボットマンVを計画。これが完成すれば力の比は6対4でミクロマン有利なのだ。



 ロボットマンUはパンチロボとパンチジェットに混じってデスマルク軍団をけちらし、何とか星間帝王デスキングを追い返したものの、ロボットマンUの体はもうあちこちキズだらけで修理不可能だった。あまりにもパワーのちがいがありすぎたのだった。その上デスエネルギー砲等のエネルギーをあびて内部のメカがくるってしまったのだ。地球本部ではさっそくロボットマンUの改造が行われた。デスキングのデスエネルギー砲から身を守るため、ブレストガードとゴッドシールドそれに武器としてスペシャルレーザーカノン砲をとりつける改良作業が始まった。1980年末、ついにミクロマンは、デスキングに対抗できる超高性能ロボット、ロボットマン=ゴッドファイターを完成したのである。


 完成したばかりのロボットマンゴッドファイターはデスキングから仲間を救うため海王星へと飛びたった!! ゴッドファイターが来てくれて活気づく基地………しかし……デスキングがついに海王星のミクロマンの前に再び姿を現したのだった
 デスキングのキングブレードに対し、ゴッドファイターはシルバースピアで攻撃した。しかしデスキングはそれをデスマスクバリアで難なく受け止めた。逆にデスキングのデス・カノン砲がゴッドファイターに命中。ゴッドシールドで何とか持ちこたえた所をブラックタイガーが援護射撃する。このチャンスにスペシャルレーザーカノンで反撃を始めた。デスキングはたまらずキングジェットタイプに変化して地中へもぐった。ゴッドファイターもドリルマシーンタイプTに変形して追跡する。再び地上に出て両者は激しくぶつかり合い、ゴッドファイターは行動不能となってしまう。ブラックタイガーは全火器で集中攻撃をかけるが、デスエネルギー砲によって大きなダメージを受けてしまった。勝ち誇ったデスキングが油断した一瞬の隙を突き、パンチロボが飛来して強力パンチでデスマスクを破壊。さらに、小回りを利かせた攻撃でデスキングのレーダーに損害を与える。デスキングのデスエネルギー砲に対し、ゴッドファイターはゴッドビームを、パンチロボはミクロブレストビームを撃ち合った。そしてついにデスキングのアームを破壊するのに成功し、マグネットエネルギーが補給できなくなったデスキングは、急速に力を失っていった。
 状況を見ていた星間帝王は、デスキングに引き揚げを命じた。

星間帝王ミクロマンどもめ、今回はしてやられたがこの次はかならずきさまたちをたおしてやる。待っているがいい。
ミクロマン何度侵略してこようとおれたちは戦うぞ!!



※ 第1段と第2段の本文は、MFC新聞Vol.4から引用しました。第1段の前文は、冒険王のミクロマン豆知識を再構成したものです。第2段の前文は、テレビマガジンや冒険王などの児童誌の昭和55年8月号と9月号に掲載された広告からの引用です。第3段はMFC新聞Vol.5からの引用、第4段はMFC新聞Vol.6からの引用です。第5段は、冒険王昭和56年3月号の「小さな巨人ミクロマン」最終話を要約したものです。


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星間帝王 1980年12月8日


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