αH7とは?
平成29年4月3日公開
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αH7に関する記述そのものに謎が多い。まず、「水素原子が複雑に結合した」とはどういうことなのか。中学生でも知っているように水素の原子価は1、つまり結合手は1つしかない。2個の水素原子が互いに結合手を取り合うと、3個目の原子が結合することはできない。「複雑」というのなら、立体や平面に様々なパターンで水素原子が配列することがなくてはならず、少なくとも4個程度は結合する必要がある。
本来の意味の元素とは、万物を構成している根源である。水素原子そのものが元素の一種であるから、元素が結合してαH7元素になるというのもおかしな言い方である。原子が結合したものならそれは分子であるが、「αH7分子」というものはない。元素を構成しているのは原子の内部にある陽子や中性子くらいしかないが、水素の原子核は陽子や中性子そのものである。陽子と中性子が特殊な原子核を構成している様子を「水素原子が複雑に結合した」と言っているのであろうか。仮に陽子1個と中性子6個の合計7個が集まった水素同位体があったとする。それなら 7H と書くはずであるが、分子のようなH7の特性を含んでいるというのだろうか。
同位体 7H にしても、分子H7にしても、この宇宙には存在するはずがない。もしあるとすれば、我々の宇宙とは物理法則の全く異なる別の宇宙である。しかし、そのようなものがなぜ現れたのだろうか。
次章では、一段高い視点からこれらの謎の解明を試みる。
『ミクロマンMICROMAN』 昭和52年
ある時、アクロイヤーの細胞をつくっている染色体の原子核が人間とくらべ異常に大きい事が発見された。なぜアクロイヤーの原子核が人間より大きいのだろう。
そこで、ミクロマン達はアクロイヤーの身体は本質的にミクロマンと同じ原子で組織されているがなにかの条件で、それを大きくできるのではないかと考えたのであった。アクロイヤーは大きくなる能力を持っているのだ。(しかし数回以上やると、突然塵になる欠点がある)しかしミクロマンが大きくなれないのにアクロイヤーが大きくなるのは…、その条件とはなにか?
地球に誕生する仲間は全員10cmである。しかしかつて住んでいたミクロアースの伝説には、ずっと以前、地球人のように大きかったという説がある…しかもアクロイヤーは大きくなれる。人間と同じ元素の自分達も人間と同じ大きさになれると考え、アクロイヤーの謎を解明する事を決定した。そこで全世界の仲間にそのことを知らせ、アクロイヤーの調査を依頼した。
まずスパイマジシャンはモアイに移動基地のレントゲンビームを当てた。ある石像の中に何かの物体があるのを発見した。これは仲間にちがいない。彼らはそれに強力な電波を発射した。するとモアイが奇妙な青白い光を発射し突然、爆発したのだ。そして人間ほども身長のある仲間が誕生したのだ。しかし、つぎの瞬間、太陽光線が当ると強烈な青白い光を発しながら、見る見るうちに小さくなり普通のミクロマンと同じ大きさになった。彼らはミクロマンコマンドと名のった。
しかし、コマンドが生まれた時に発生した青白い光はいったいなんだったのだろう。そこで蘇ったコマンドの過去の記憶を再生することになった。そしてその結果青白い光は水素原子が複雑に結合したαH7というガス体で、始め小さな核だったコマンドの組織をつつみこんでいて電波により変化を起し身体がミクロマンの形になったというのだ。つまりこのガス体(αH7)が各種の元素と結合しその元素の環境にあった物に形成されたのだ。このモアイの石は何億年も前に形成されたのだろう…としたら地球上の生命はすべてαH7に支配されているのではないだろうか?αH7がある周期で変化を起し数々の生命を作ってきたということなのだ!?
さらに遺跡の調査を進め、エジプトにある王家の谷のツタンカーメンの棺の下の石から、新しい仲間が同じように、謎の青白い光につつまれて誕生したのである。モアイから生まれた仲間とまったく同じ状況の中から現れたのだ。彼からの情報では…アクロイヤーはこのαH7を体内にもち、細胞を大きくできるのではないかという事だった。しかしそれ以上の情報は得られなかった…。
いっぽうタイタン2(イカルス)から土星のワッシャーリングでの誕生の秘密(ある瞬間に、その環境にあう磁力を持った完全なサイボーグに形成された)を聞いたスパイマジシャンは、それがアクロイヤーの細胞変化に関係があるのではないかという疑問を持ち、その秘密を解明すべく、移動基地で土星へと出発した。
移動基地が木星附近にさしかかった時、地球から緊急情報が入った。イースター島の巨石像から新しいミクロマンが誕生、その時αH7という青白いガスにつつまれ、最初の一瞬は人間ほども大きかったというのだ…そのαH7こそ、細胞変化の秘密を解く鍵なのだ。
やがて土星の衛星《タイタン》に着いたスパイマジシャンは、タイタン2が生まれたガラスの谷へいった。そこでは興味ある研究が進められていた。仲間が蘇った時に発生したガス体の研究を進めていたのだ!! そこでは、鉄分子が異常に多く含まれた岩盤が発見され、水素原子が複雑に結合したガス体におおわれていたという。タイタン達はその青白いガス体の研究をしていたのだ。彼らの話によると、そのガス体は、宇宙や生命の起源に深い関係があるのではないかということだった。「それがαH7に違いない」
スパイマジシャンはさっそく、ガスの発生していた岩盤に移動基地のレーザーを浴びせた。ビビビーすると次の瞬間、岩盤がくずれ、強力な光線の中から青白いガスが出て、そこにロボットと自動車が現れたのだった。
あれがαH7だ。移動基地の分析結果によると、まさしく、水素原子の変化したαH7であった。
新しく誕生したロボットと自動車は、研究室に運ばれ、分析された。鉄分子の多いボディは強じんで、記憶脳波から、元はずっと以前にタイタンに作られたロボットで、脳はタイタンの人工培養脳であることが解明された。それがαH7により超人として蘇ったのだった。
『テレビマガジン』1977年4月増刊人気ヒーロー大登場ジャンボ号「ミクロマン」イースター島大作戦の巻
片貝博士の台詞より
「これをぶんせきしたところ 大きくなったり 小さくなったりするのは ある種の元素によるものとわかりました」
「しかも このうでは 金属ではなく 人間とおなじようにさいぼうでつくられております そのじゅみょうも何百年ももちこたえます」
「わしはここをはなれるわけにいかん 太陽光線があたると元素がもえつきてしまう」
『マガジン《ゼロゼロ》』昭和52年
「宇宙をさまようミクロマン」より抜粋
αH7の反作用によって核に凝縮されたミクロマンは、その結果、本来は地球人と同じような身長にもかかわらず、再生されたときに、わずか10cmぐらいの大きさにしかならない。しかし再度αH7に影響されると、もとの身長になる場合も考えられるのだ。
「謎のガス体αH7」より
αH7とは水素原子が複雑に結合したガス体で、各種の元素と結合し、その環境によってどんな形のものにでも変化するといわれている生命のガス体だ。
地球上の生命は、人間をふくめすべてαH7に支配されているかもしれない…
ダーウィンの進化論のふしぶしに、その進化途中の化石などがないという疑問は以前よりいわれていた。つまりαH7がある周期で大自然に大きな変化をおこし、地球上の生命を作り進化させたのではないかということだ。太陽系全体は銀河系をらせん状に回転しながら動いているが、これがαH7の周期に関連しているのであろうか?αH7は強力に作用すると、宇宙のサイクルが狂い崩壊につながるといわれる。しかし適度に作用するとすべてが進化し文明は大きく発展してゆくかもしれない。αH7が集中しすぎると反作用がおこり、ブラックホールのような超重力場を作り出す。この結果、物質は限りなく凝縮され、実体のないものになる。ミクロマンが、大爆発の時に核になったのは、この反作用が働いたからなのだ。
『テレビマガジン』1977年7月号別冊ふろく「ミクロマン」ジャイアントアクロイヤーあらわるの巻
片貝博士の台詞より
「す すごい ガスの中にほんのすこしのαH7げんそをまぜただけなのに はかりしれないエネルギーだ」
「どうしてガスの中にαH7がまじったのかはわかりません しかしαH7とガスがむすびついておそろしいエネルギーにかわったのです」
「これでわかるようにαH7はどのげんそとでもむすびつくことができる」
「あのアクロイヤーがきょだいになり強大なパワーをもち そして なんどもよみがえるのは αH7げんそが さいぼうや のうりょく・生命にむすびつくことによっておきるのだ」
「メカニックとの合体もでき より強力に より強大なパワーをうみだす」
テレビマガジン別冊『ミクロマンブック』昭和52年11月15日発行 講談社
ミクロマン制作者 小川岩吉 「きみたちとミクロマン」 より抜粋
たとえば、ミクロマンにでてくるαH7というガスは、すべての生命をあっというまにへんかさせ、そのかんきょうにあうよう進化させるものです。このガスは原子番号一番の水素(H)ですが、すべての宇宙の物質は、水素からへんかしてできたものだといわれています。
もしも、このガスが宇宙のどこかにあって、何おく年か何百万年かに一度地球にやってきて、地球の動物や植物を進化させたとしたら、というぎもんから、このαH7というガスはうまれました。
『ミクロマンコマンド』 昭和52年
そうしたある日ミクロマン基地に「東北地方にαH7反応(まだ再生されていないミクロマンの信号)あり」という情報が送られてきた。ミクロマンたちはさっそく仲間を求めて移動基地で出動した。ピピピーッ青森県の亀ヶ岡遺跡でその反応が最大になった。そこには遮光器土偶(イヌイットの人々が太陽光線から目を守るために使用するというメガネに似ているところからその名前がついた)が写し出されていた。ミクロマンたちは、宇宙人の姿をしたその土偶に強力なスペクトルMXを発信した。
バババーン、土偶の殻を破って青白い炎とともに新しいミクロマンが現れたのである。彼らは、ミクロアースでの超科学力をもっておりその能力は全ての面で今までのミクロマンより秀れていた。彼らは日本で生まれたためとくに日本の知識に詳しかった。
同じ頃、古代遺跡を調査中のミクロマンコマンドがニューヨークにさしかかると、サーベイヤー1のαH7感能器が未知のミクロマンの信号をキャッチした。この付近に古代遺跡はないはずなのだ。ミクロマンは信号の発信場所をさがした。なんと、あの自由の女神の台の中から発信されているのだった。彼らはそこめがけて強力な電波を発射した。すると青白い光が走り、自由の女神の中から、女性のミクロマンが飛び出したのである。彼女らをレディコマンドと呼んだ。
『宇宙を守るミクロの戦士 ミクロフードマン』 昭和53年
そんなある日、ミクロアース爆発時に採集した、謎のガス体αH7により、動物を縮小する実験に成功したのである。そこで彼らは、食料や空気不足を解決するため、自らの体を20分の1に縮小することにした。
ある時フードマンたちは星の墓場を発見した。そこにはαH7が異常な濃度で広がっていたのだ。αH7は生物を進化させ、星を成長させるが、濃くなりすぎると加速度的に進化して、ついには死の星となってしまう…そしてαH7は太陽系に向かって確実に広がっていったのである。彼らはαH7の危機から宇宙人類を守るため、惑星を転々としながら、太陽系へと向ったのである。やがてフードマンは火星と木星の間の小惑星に基地を造り、太陽系でのαH7の調査を始めたのである。
それからしばらくして地球を発見したフードマンは、地球へおり立ち、ミクロマンとともに戦うことになった…
フードマンはαH7の研究者として、未知(原文は未地)の謎をひとつひとつを解決してゆくのである。
『テレビマガジン』1978年3月号別冊ふろく「ミクロマン」フードマン登場の巻
フードマンの台詞より
「みたおとおりとてつもなくきょだいなαH7のエネルギーが宇宙をいどうしているんだ M13星団もミクロ星もαH7のエネルギーにすっぽりおおわれ大いへんをおこしたんだ」
「われわれはαH7をしらべた。そして、人間を小さくするのうりょくがあることをしった。いきのこるために、われわれは、からだを二十分の一にちぢめた。」
「ぼくたちやミクロマンがもっているミクロ=ブレストとおなじように アクロイヤーのαH7エネルギーも人間を小さくさせることができる」
「いずれ地球は、αH7のえいきょうをうける。人間は小さくなってしまうんだ。そうぞうできないほどのおそろしいめにあい、人類はめつぼうしてしまうだろう。」
『テレビマガジン』1978年4月号「ミクロマン」ミクロ人間をすくえの巻
ミクロマンの台詞より
「たしかαH7光線をあびたらもとのからだにもどらないはずだが・・・・おかしいなミクロ人間になっていない・・・・」
ハンスの台詞より
「αH7にはまだわからないなぞがいっぱいある そのためにもミクロ人間をたすけ たしかめなければ・・・・」
『テレビマガジン』1978年4月号増刊飛べ!孫悟空と人気まんが号「ミクロマン」超スーパーへいきラブ=スパークの巻
片貝博士の台詞より
「わたしの研究にまちがいがなければ・・・・αH7の作用によって・・・・ミクロ人間はかならずでているはずだ」
「そ そんな! アクロイヤーのαH7元素は地球のいかなる科学力をもてしても歯がたたない!」
ハンスの台詞より
「しんだらどうしてもとにもどるのか「いまのところわかっていないが・・・・
このαH7のふかかいなひみつやミクロ=ブレストとのちがいがわかればミクロ人間ももとに・・・・」
『テレビマガジン』1978年6月号別冊ふろく「ミクロマン」強敵アーデン登場の巻
片貝博士の台詞より
「このけんさでアクロイヤーに小さくされた人間たちをもとにもどせるかもしれないのだ」
ハンスの台詞より
「いまのところミクロ=ブレストではきかないが・・・・これをもうすこしくふうしつくりなおせばあるいは・・・・」
あきらの台詞より
「こ これがせいこうしたら もう 人間は 小さくならずにすむんだね・・・・」
フードマンの台詞より
「そ それは アクロイヤーのには通用するかもしれないが 宇宙からおそってくるαH7のかたまりには・・・・」
総統アクロイヤーの台詞より
「こうなったらわれわれの戦法をかえねば 人間を小さくするのは一時中止だ やつらがでしゃばってきたいじょうこうかはない 小さくさせるのに大量のαH7エネルギーをつかってしまう それだけスタミナがへってしまう いずれ人間どもは小さくなってしまうのだ むだにエネルギーをつかうひつようがない ふふふふっ」
『冒険王』 昭和53年8月号「ミクロマン」
スパイマジシャンの台詞より
「この●印は巨大植物があらわれたところだが その原因はどうやらアクロイヤーからもれたαH7らしい 地中にしずんだαH7が植物に強力なエネルギーをあたえ突然変異的な巨大植物が出現したというわけだ」
テツヤの台詞より
「どうするつもりか!?フードマン αH7のためにこんなに巨大化したってのに…………」
フードマンの台詞より
「フフ…… αH7を必要以上にあたえて成長過程をはやめた その結果―― 強いエネルギーを組織がささえきれなくなってかれたっていうわけさ」
テレビマガジンカラーブック2 『決定版 ミクロマン大図鑑』 講談社 昭和53年8月25日第1刷発行
「これがミクロマンの超メカだ!」より
ミクロマンはサイボーグではないが、からだの中はまるでメカのようだ。ミクロアースで移植された金属質の人工細胞が、ミクロアースの爆発のとき、αH7と結合して、メカのような形になったのである。この細胞には、生命をたもつ機能があるため、何十億年という長い間、宇宙をさまよっていたミクロマンもよみがえったのだ。
「ミクロマンの未来都市」より
ミクロマンは、宇宙を移動してくるαH7のかたまりが地球をおおってしまうとき、人間もミクロ化してしまうのをしって、大規模な未来のミクロ都市を計画した。
『ミクロマンポリスキーパー ミクロフードマン』 昭和53年
19××年、ハレー彗星の到来を前に謎の彗星が突如木星付近に現れ、その輝きを増しながら地球へ近づきつつあるのをいち早くミクロマン達は発見し、ミクロ彗星と名づけた。そして、このミクロ彗星から、わずかではあるがαH7らしきものの反応を感じとったのだ。ミクロマン達は秒速400kmの速度で太陽に近づきつつある彗星の調査へと移動基地を発進させた。回りをガスや微粒子の雲でおおわれたミクロ彗星の核は氷結した世界である。その中をミクロマン達はαH7反応を求めて調査を開始した。その時、凍りついた地表の一部が急に青白く光りだし氷の壁をつきやぶって新しいミクロマンが誕生したのである。彼らは「ポリスキーパー」と名乗り、地球を守るために、はるか宇宙の彼方からやってきたのである。
『タイタンスペースナイト』 昭和53年
19××年、謎の彗星が突如木星付近に現われ、地球へ近づきつつあるのをミクロマン達は発見し、ミクロ彗星と名づけた。このミクロ彗星から少しづつくずれ、離れて宇宙塵となったものが土星の衛星タイタンのそばを通り、流星となって現われたのだ。その中には燃えつきず、隕石となって地上に落ちてきたものが数個あった。タイタン達は、この隕石の中に自分達の仲間がいるのではないかと隕石調査に乗り出した。レントゲンビームをあてて調べてみると、中心部に何かの化石化したらしい物体がみとめられ、しかも驚く事にわずかではあるがαH7の反応もみとめられたのだ。さっそくタイタン達は、この隕石を超高速磁力波ドリルを使ってけずり出した。やっとの事で中から化石を出してみると、おそらく元は水晶体だったのだろう、今はみる影もなくニッケル分子と鉄分子が複雑にまざり合い、しかも生命維持機能はすでに止まっていた。しかし磁力波エネルギー炉らしきメカが、超高速磁力波ドリルの影響でかすかだが動き出したのだ。タイタン達は得意とするサイボーグ科学の粋を集めてついにその化石をタイタンとしてよみがえらせたのだった。それがこのタイタンスペースナイトである!
『COSMOSATAN ARDEN』 昭和53年
地球から遥か70光年の彼方おうし座に光り輝くアルデバラン。その第3惑星である不気味なアーデン星がある。この星は軌道とアルデバランの引力の影響で厚い大気におおわれて地表に光がまったく届かず異常なガスが充満している暗黒星だ。ここにアーデンがすんでいたのだ。…がそのアーデン星は星の急速な冷却化のためあと3年後には大爆発するという危機にひんしていた。
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