第1部 第2話 ■冒険王1982年8月号■
〈あらすじ〉 タッチンは友だちの家に改造プラモを持って集まった。胸ポケットにはケンジも。 達也がトイレに発った時、プラモデルが爆発して4人の友だちが犠牲になった。達也も傷を負う。 生き残った達也の帰り道を、アクロイヤーの操る自動車が襲いかかるが、ケンジのキックがアクロサタンに命中。 「おれひとりを倒したってわれわれの計画はどんどんすすんでいるんだぜ…」 と捨て台詞を残してアクロサタンは蒸発。 白バイが暴走トラックの運転席に近づいたが人は乗っておらず、トラックは白バイを転倒させて逃走。 ハンドルを握るアクロブルーや隣のアクロサタンは、小さくて目に入らなかったようだ。 しかし、荷台の下にはカムイが取りついて、アクロイヤーの声を聴いていた。 爆弾入りのプラモをばらまけば子どもたちはみんな死んでしまい、人類は滅びてしまうだろうという。 達也の家では、アロムがカムイからの連絡を受けていた。 アクロイヤーの隠れを見つけたらしい。 タッチン「友だちを殺したアクロイヤーをゆるせない。ぼくにもアクロイヤーをたおすのを手伝わせてくれ」 エイジ「…………わかった」 クレオ「このミクロバンドをあげよう」 それを右手首にはめると、達也がミクロ化した。 ミクロマン達はアーマードスーツを着て飛び立った。 プラモ倉庫の屋根をぶち抜いて突然現れたミクロマンに驚くアクロイヤー。 プラモ爆弾をいっせいに爆発させるが、アーマードスーツはびくともしなかった。 逆にアーマードミサイルでアクロイヤーは吹き飛ばされてしまう。 火をふく達也のアーマードガン。 達也はついに友だちの仇を討った。 |
〈第2話解説〉
第1話の鬱憤をはらすように、ミクロマンとタッチンの勝利を描いた回でした。
しかし、アクロイヤーの非道性の描写などもはずせないため、主人公の友だちが殺されたことで、完全な勝利とは言えなくなってしまいました。
アクロイヤーをいくら倒してもまた新しいのが出てくるという設定も、すっきりしない原因の一つです。
悪役の恐ろしさをどのように演出するかというテクニックはいろいろありますが、旧アクロイヤーのように巨大化する方がよかったように思います。
ニューミクロマン1年目のカタログには「巨大化するアクロイヤー」という写真も載っていたことですし。
それが人目を忍んでプラモ爆弾を作るという、偽札作りにも似た貧弱な作戦にはがっかりです。
第一、いくらガンプラブームだからと言っても、プラモが好きでない子どもだってたくさんいたはずだし、こんな作戦で子どもがいなくなるわけありません。
プラモ爆弾という架空の事件は、プラモに熱中するのは危険だぞという、お説教じみたことを暗示しているように感じ、プラモ少年としては面白くありません。
ブームにあやかるなら、もっと別の方法があったはずです。
例えば、タッチンがプラモの改造得意だったおかげで、アーマードスーツがたちまちパワーアップするとか、モビルスーツとの類推で簡単に扱い方を覚えてしまうとか。
このアーマードスーツが今回は大活躍でしたね。
扉絵もタッチンとケンジがアーマードスーツを着て戦う姿になっています。
タッチンはダブルギャノン、ケンジはギャラクスナイパーに搭乗していました。
アーマードスーツは劇中に7機出てきます。
おもちゃとは違って関節の可動域が著しく改善され、大腿と脛の間に動力パイプがついているなど、ディテールアップを施してかっこよく描かれています。
ここでミクロマンの体の描き方について批評します。
ボディのモールドは細かく、逆に腰と手足はデフォルメして人間らしい関節で描かれています。
しかしケンジの腰パーツのバックルをなくしてブリーフのように描くのはどうかと思います。
アロムの肩関節を滑らかに描くと裸に見えてしまいます。
エイジのメッキパーツは縦に長すぎて、ファスナーのついたジャージみたいです。
手首も関節を滑らかに描いていますが、森藤先生の長袖の袖口のような描き方の方が実物らしくてよかったのではないでしょうか。
ともかく、連載2回目でミクロマンの活躍をちゃんと見せることができました。
次回からニューミクロマンの世界がさらに広がりを見せることになります。
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