直線上に配置

第2部 第6話  ■TVアニメマガジン1983年9月号■

〈あらすじ〉

せんのうされたタカシにユカちゃんが捕まり、サラムは手が出せなかった。
異次元からアクロサタンたちも現れ、今度こそおしまいだと思ったその時、
ミクロマンたちがウォッチロボとともにかけつけ、アクロサタンを倒した。
しかしせんのうされたタカシはユカちゃんをつれてドアの向こうの暗闇に消えてしまった。
サラムとウォッチロボが後を追ったが、異次元の入り口が消えて10人のミクロマンは取り残されてしまった。
異次元ではサラムがウォッチロボに指令を与え、気ぜつ光線でタカシの洗脳をといた。
暗闇から無数の触手がのびてきたので、バリヤーをはらせたが、バリヤーのない3人は巨大な口にのみこまれそうになった。
3人いっぺんに助けられないので、ウォッチロボは自爆スイッチを入れて口に飛び込んだ。
やがて周りが見えてきた。
タカシたちのいる場所はなんとアクロイヤーの異次元要塞の中だったのだ。

前号の紹介 ←                                    → 次号の紹介

〈ミクロチェンジ編第6話解説〉

ローリングサンダー付属(?)のキルクは、サラムの次に台詞の多いミクロマンです。
「いそげ、つづくんだっ!!」「くらやみがきえたらふつうのへやにもどった」
池原版での出番のなさを取り返すかのようです。
浪曼堂での復刻時にウェインと呼ばれるようになったミクロマンですが、タカラとしてはキルクのつもりだったのではないかと想像すると面白いことになります。
1980年当時、ニューミクロマンのうちの1人がローリングサンダーに紛れ込んでいたとしたら?
ローリングサンダーは磁力エネルギー研究用のマシンということになっていますが、極秘任務のオペレーション・ムーンゲイトに関わっていたという見方もあります。
異次元発生装置を奪還したニューミクロマンが次元を超え、αHの除去に協力していた証拠だと言ったら考えすぎでしょうか。

暗闇の中の巨大な口だけの化け物の正体は何でしょう。
ゲイモス?
いいえ、フィギュア王No.23のイラストとはかなり違いました。
ゲイモスはクジラとマンモスを合体したような怪獣として描かれ、上下に開閉するあごを持っています。
一方、異次元の巨大な口には多数の牙が全周にわたって概ね中心を向いて並んでいます。
つまり上下だけでなく左右にも開閉できる、柔軟なあごを持った怪物であると考えられます。
地球の脊椎動物とは全く違う異様なつくりの口なのです。

10月号のミクロマン読者クラブの「なんでもQ&A」に答えが載っていました。
Q2 TVアニメマガジン9月特大号に出ていた大きな口のかいじゅうみたいのは何ですか?(岐阜県・○○○○)
A2 あれは、アクロ星人のげんえいそうちで作られたまぼろしだ。アクロ星の科学はおそろしいね。

ウォッチロボはサラムたちを守ろうと自爆しました。
戦った相手が幻であったとしても、そのおかげで幻影装置が破壊され状況をつかむことができたのなら浮かばれるでしょう。
愛のなせるわざそれとも、あい・AIの力ということでしょうか。
これはアシモフのロボット三原則に従ったに過ぎず、何も驚くようなことではありません。
しかし、ウォッチロボの親切で人間的な描写を見てきた読者としては、ロボットであることを忘れてしばし感傷に浸りたい気分にもなります。
ウォッチロボは優秀なロボットでした。


直線上に配置

ニューミクロマンコミックス一覧

直線上に配置