第2部 第10話 ■TVアニメマガジン1984年1月号■
〈あらすじ〉 爆発のエネルギーをすいこんで巨大になったタンクがユカちゃんをねらった。 だが新しいガンロボが完成し、剣でバトルタンクを次々と破壊していった。 その間にサラムはけん銃付属品アンクルセットも武器に改造することにした。 ハイパースペースカノンも加わってアクロイヤーの敗色が濃くなったとき、小さなままのタンクが米軍のシェルターを攻撃しはじめた。 あいた穴からアクロ星人が侵入し、米軍との銃撃戦が起きた。 タカシは倒れた兵士から核爆弾がねらわれていることを聞かされ、兵士の銃でアクロ軍団とたたかった。 アクロイヤーと機構軍団をぜんぶやっつけたが、核爆弾は作動をはじめてしまった。 |
〈ミクロチェンジ編第10話解説〉
新年号からライバル誌のテレビマガジンが7ヶ月遅れでワイド版になりました。
一方、TVアニメマガジンはなんと元の判型にもどってしまいました。
しかもページ数は変わりません。つまり、幅がせまくなった分だけ情報量が減ったのです。
定価は390円から420円に値上げです。
新年特大号、新年大サービス号らしいところを探しましたが、付録が充実したようです。
4大ふろくだったのが5大ふろくになりました。
しかし前にも付録が多かったことはありましたし、実質的にはサービス低下だと言えます。
冒険王から改題したときのテコ入れは部数回復につながらず、出版社の体力が限界に来ていることがうかがえます。
そして半年後には休刊に追い込まれることになるのです。
さて、ミクロマンの方は12月号33コマ、1月号34コマで、情報量は減少していません。
絵やオノマトペがコマをはみ出す技法を多用し、迫力の点でも劣っていません。
古城先生、お見事です!
異次元から来たものは大きさが変わるというのは面白いことです。
次元が異なれば物理定数も異なるでしょう。
そのため素粒子間の引力や距離が変化するといった仕組みが想像できます。
そして異次元のゲートを通った物質はしばらく元の次元の性質を保っていて、差分のエネルギーを放出または吸収しながら徐々に大きさが変わるのでしょう。
ただし、タカシたちは異次元に行ってミクロ化した時、放出するはずのエネルギーをポテンシャルエネルギーとして蓄えていたため、元の次元に戻った時もそのエネルギーを消費して元の大きさになり、エネルギーの出入りはなかったように見えました。
αH7による体の大きさの変化も、このような物理定数の異なる次元との相互作用が原因ではないかと考えています。
アクロタンクがこちらの次元に来るときに大きくなるには差分のエネルギーが必要となるため、爆発を利用したのだと考えられます。
2月号の質問コーナーによると、「時空波動エンジン」がエネルギーをすいこんで巨大化したと言っています。
言うまでもないことですが、ミクロマンの物語は架空の話です。
ただし、昭和50年代に運命の分岐があり、そちら側の次元に進んでいればタカシと同じような体験をしていたと考えることもできます。
それにしても、職業軍人が使うワルサーP38アンクルセットというものは存在しません。
元々はスパイものが流行った頃のテレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」(原題The Man from U.N.C.L.E.)で人気が出た仕様の銃で、番組のために作られたものです。
ミクロチェンジの世界に国際機関アンクルが実在するとしたら、昭和40年代には既に次元の分岐が起こっていたことになります。
あるいは、アメリカ軍にも昔のスパイドラマの熱心なファンがいて、制式銃のほかにもカスタムしたワルサーP38 U.N.C.L.E.タイプを所持できた将校がいたのかもしれません。
そうでもないとしたら、アンクルタイプを持ったCIAが米軍に紛れ込んでいたということになるでしょうか。
秘密ばかりの在日米軍基地に、非核三原則に反して核爆弾まであるということになったなら、もう何があっても不思議ではありません。
タカシはアクロ軍団と戦うとき、米軍のアサルトライフルM17を使いました。
それはそれですごいことなのですが、どうせ小銃を使うならワルサーP38アンクルタイプがもう1丁あったことにでもして、ガンロボのいろんな形態を見せてもよかったのではないかと思いました。
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