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第2部 第11話  ■TVアニメマガジン1984年2月号■

〈あらすじ〉

米軍基地から核ミサイルが発射されてしまった。
ミサイルがソ連で爆発したら世界中がミサイル戦争になり地球は破滅してしまう。
サラムは軌道調整装置を修正しようとミサイルに飛び乗った。
ところがミサイルの中にいたアクロ星人の生き残りに調整装置を破壊されて軌道修正ができなくなってしまった。
あとはミサイルがいったん成層圏にでたときに自爆させるしかない。
ガンロボから通信を聞いたタカシは、悲しみをこらえて自爆ボタンのある基地内のレーダー室に急いだ。
だがそこにはアクロ星人がタカシを待ちかまえていたのだった。
その時、仲間のミクロマンが大勢かけつけ、アクロイヤーをみんなやっつけた。
サラムはコズミックファイターで救出され、核ミサイルの自爆に成功した。
怒りに燃えるアクロデビル元帥は、インターセプターの大群をサラムにさしむけた。

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〈ミクロチェンジ編第11話解説〉

一歩間違えれば世界核戦争が起きる危険があることは現在でも全く変わっていませんが、
当時はレーガン政権下の軍拡競争による冷戦下の米ソ対立が深刻化していた頃でした。
また、前年の6月にはコンピューター制御による核戦争の危険性を描いた「ウォー・ゲーム」が制作され、12月には日本でも大ヒットとなりました。
そして11月には核兵器実戦使用の恐怖を描いた「ザ・デイ・アフター」がアメリカで放映されて大ヒットし、1月には日本でも公開されました。
それ以前にも、1977年11月の「ロボットマシーンZ対せんかん大和の巻」をはじめ、永井豪の「デビルマン」、すがやみつるの「ゲームセンター嵐」など、多くの漫画作品で米ソ核戦争の危機を訴えています。
古城版ミクロマンは核戦争への一般の認識が特に高まった時期に描かれ、ストーリーを受け入れるための土壌は充分に整っていたものと思われます。

ミサイル内部でサラムと戦ったアクロ星人の顔は少し変わっています。
普通のアクロサタンは顔の真ん中に赤い大きな目のようなものが1つありますが、このアクロ星人はサタンプロテクターから顔が現れた後、赤い目の中にさらに白い2つの目があるのが3コマにわたって描かれています。

タカシを助けにきたミクロマンは、イリアやスチュアート=ウェインといった目立つメンバーは前と変わらないのですが、一部印象の変わっているミクロマンがいます。
オルガは目と髪の色が変わってより日本人らしくなり、コロナはリーゼントから七三分けになりました。
ウイリは58年5月号の初登場では普通の黒髪だったのに、9月号と今号では色が変わって伸びた髪で片目が隠れ、あごが長くて別人のようです。
コズミックファイターを操縦しているケンジは若々しくなりました。

イリアが「いまごろメイスンがコズミックファイターで救出中だ」と言っているのですが、救出に行ったのはケンジですよね。
旧ミクロマンの名前がどうしてここに?
なお、メイスンとよく間違えられるウイリは他のミクロマンと米軍基地にいます。
ケンジにはメイスンというあだ名でもあるのでしょうか。
だとしたら、超電子バイオマンに出てくる悪の幹部のメイスンのことかもしれません。
テレビアニメマガジン2月号ではまだダイナマンをやっているのですが、テレビマガジン2月号には早くも新ヒーローバイオマンの記事が載っています。
例えば、少年っぽいケンジがバイオマンごっこをしてメイスンの役で遊んでいたとか…。

今回、ミクロチェンジ以前のメカが久しぶりに登場して嬉しかったです。
ICBMに追いつくための乗り物ならコズミックファイターをおいてほかにないでしょうからね。
バルジェットでも行けそうな気がしますが、2人は乗れないかもしれません。
ミクロチェンジで高速飛行ができるとすれば、まだ出てこない流星ロボか、ミクロマンガムのルガーファイターくらいでしょうか。
漫画に新製品は出てきませんでしたが、流星ロボを登場させるための大事な伏線が張られています。
わずか8ページでもSF大作映画のように充実した回でした。


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