令和5年5月15日一般公開
令和5年5月23日設定追加
令和5年8月12日情報追加
(1) 恐竜サイボーグと古代ミクロマン
この写真をご覧になって、1982年頃の「ミクロマン改造計画」をご存知の方は懐かしく思われることでしょう。そこに載っていた作品のうちの2点がまさに手元にあります。作者は、タミヤ人形改造コンテスト第1回及び第2回金賞受賞者のN氏。都内で長らくホビーショップを経営していたこともあり、2013年4月に閉店、引退されました。『タミヤニュース1973』によると1973年の受賞当時は23歳ですので、ミクロマン改造計画の1982年は32歳での作品ということになります。ご本人の意向を尊重し、ここでは実名を伏せさせていただきますが、私と付き合いのある人に教えてもいいというお許しはいただいていますし、その気になって調べればすぐにわかるはずです。
N氏は、コンテストの勢いでいろんな分野のおもちゃを改造しては店に展示していたそうで、各メーカーの営業、開発とも付き合いが深く、その中で気まぐれで作った作品らしいです。箱にしまい込んで忘れていたものが断捨離中に出てきたので、試しにネットオークションに出品したのだということです。
2021年に縁あって私がこの貴重な品を引き取る際、質問にN氏が答える形で知った情報は以上です。何のパーツを使ったのかは作った本人も覚えていませんので、あとは作品を見て推測するしかありません。みなさんの知恵を集めて全て解明し、「ミクロマン改造計画」を再現して次代に語り継ごうではありませんか。
恐竜の背中にはミクロマンが跨がる鞍を載せていますが、これはドラグタイガーのフロントです。
ミクロブライさんの指摘でわかりました。
鞍の後部が強化スーツ3の肩アーマーだというのはすぐわかりますね。
ガンメタルにゴールドとブラックの差し色という、渋いカラーリングです。
1981年6月に発売されたタミヤの「1/35 トリケラトプス」をいち早く用いています。現在も販売中のロングセラー商品です。
私達のイメージする草食恐竜の色を見事なグラデーションで塗っています。
目が金色なのは、獅子頭や鬼の面などの伝統的な造形にはよく用いられています。
極小の真鍮ヒートンや釣り具を多用しています。
当時改造展示物に毛皮(イミテーション)等特異な素材を使うのがN氏の特徴でした。
足の裏や腹部はこうなっています。
爪をガルグレーで塗るのは、私もゴモラのプラモでやったことがあります。
角の先のメタリックブルーのパーツは、ミクロマン製品ではなさそうですが何でしょう?
SFらしい雰囲気が出ています。
Twitterで問いかけたら、イヌとカバさんが教えてくれました。 恐竜の角に使われているのは、ギラン・ドウの下腕パーツです。 これは伝説巨人イデオンに登場する重機動メカで、アオシマから1/550スケールのものが1981年3月に発売されました。 先端の穴はピンバイスで加工したものであることがわかります。 |
尻尾にもメタリックブルーのパーツと鋏状のパーツを付けてあります。
恐竜サイボーグでありながら、メカの露出は最小限にとどめており、本物の恐竜に擬態しているようです。
マシンザウラーに登場するトリケラドブスは、後ろ脚がキャタピラ、角がドリルで、尻尾は無改造でしたから、全くの別物です。
尻尾のパーツについては、坂井直人さんが指摘してくれました。 これは1981年7月に発売された1/610ドグ・マックのものです。 はさみは元々開閉しない構造であることがわかります。 |
足置きはオルガの反重力ロケットです。
ロケット推進を使う場面というのは考えにくいですが、水に浮いて進むような使い方ならありそうな気がします。
顔や目の色は爬虫類に寄せているのかもしれません。
ミクロマンパンチの青いヘルメットを赤と金で塗って頭にくっつけてあります。
袈裟懸けのベルトはミクロマンパンチから、腰のベルトはデスマルクからの流用で、鋲で固定してあります。
肩から肘にかけて2本のビニル線が渡っています。
腰から膝にかけてパルサーショットのコードを繋いであります。
下腕と脛の黒い毛皮は、赤くて艶のある糸で結わえてあります。
005オルガの体は赤ですが、艶消しで塗装してあります。
腕の金属パーツも赤い塗料で覆われています。
関節は接着されていて、動く所は一つもありません。
剣の刀身は何でできているのかよく分かりません。ミクロマンとは関係ないかも知れません。
柄は、鍔になる部分を残してパルサーショットを加工したものです。
両面テープは手に固定するためにN氏が最近貼ったものです。
本来はなくても持てると思われますが、右手親指が欠損しているため両面テープは必要です。
両面テープを除去した状態。
本来のミクロマンの手では鍔に近い太い部分は持てないので、細い所を持たせます。
パルサーショットの銃身は切り取られており、刀身と柄をピアノ線で繋いであります。
ピアノ線を軸にして刀身をひねることができたので90°回し、刀身が大腿取り付け用の2.5mmジョイントの邪魔にならないようにしてみました。
現在は右手に剣、左手に手綱を持っていますが、改造計画の説明書では逆でした。
剣の先のメッキが薄くなり、成型色の赤が少し覗いているのが血のようにも見えます。
試しに一度だけ昔の持ち方をしてみましたが、右手が難しかったです。
この銃はミクロマンのものではありませんね。
大変です!銃を固定していたピアノ線が抜けてしまいました。
右後ろにもう1丁小銃があります。
右足のおしりの所にピアノ線が刺さっていた穴があって、もう一度刺したら直りましたが緩いです。
刺す時の微妙な手応えで、元々刺さっていた角度がわかります。
接着は保留します。
2丁の銃について画像検索などを試したところ、 STARWARS帝国の逆襲に出てきた殺人ドロイド IG-88の銃であることがわかりました。 1980年に発売されたオールドケナーのフィギュアです。 |
まんじゅう型のガンメタルのパーツは、パテで作ったものではないでしょうか。
アンテナは柔らかい素材でできていて、後部に差し込んであります。
エネルギージェネレーターは少し動くようになっており、ピアノ線と青い小球を介して毛皮の中にはめ込んであります。
中生代末期に人間的進化をして恐竜の卵から蘇った水晶体があった。トリケラトプスの兄弟達の中で一人だけ違う姿をしている自分のルーツに悩んだが、タイムトラベラーとの出会いにより、ミクロアースの記憶を取り戻す。地球にたどり着いたほかの水晶体を探そうと科学力を磨いているうちに、大量絶滅を引き起こす小惑星の落下軌道を知ることになる。兄弟達を守ることはできるのか!? |