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 ミクロマン改造計画1982

令和5年5月23日公開

(2) 異次元戦闘用自律型ロボット試作機

 この作品も、「(1)恐竜サイボーグと古代ミクロマン」と同じく長年ホビーの普及に努めたN氏によるものです。改造計画のパンフだけではわからない作品の素晴らしさを紹介します。そして作者でさえ忘れてしまったパーツの由来を、みんなで解明しましょう!



強化スーツ3のパーツを使っています。
コンピューターロボはガンメタルで、強化スーツ本体はイエローで塗装しています。


ロボットの目には光ファイバーが組み込まれ、上から照らすと目が光ります。

前後の合わせ目は消してあります。
耳に当たる位置の後ろにダクトのようなものを付けてあります。


斑のある差し色のオレンジ、茶色い汚し、シルバーの塗装剥げ表現、爪痕が何ともかっこいいです。
胸のメッキが薄くなっているのもそのまま活かしています。
動力パイプを支持するヒートンも本体のカラーで塗るセンスがニクいです。


動力パイプは反重力ロケットに繋がっています。
何かの部品を介して腰に取り付けられています。
これがあるおかげで反重力ロケットがいい角度に向いています。
ここからパルサーショットも伸びています。


ピンバイスで穴を空けてビニル線を刺したり、
被覆を剥いて露出した極細の銅線を巻いたりして、覆いのないグロテスクなロボットを表現しています。


ほぼ左右対称ですが、人間の内臓が非対称であるように、目立たない所が違っています。


変身ベルト風の部品は何を流用した物でしょうか?
せめてこのメッキ部品だけでも知りたいです。
クリヤーグリーンは作者が塗装したものだそうです。
その下の蓋付き部品も出所は不明です。


パルサーショットは左手に持っています。
コンピューターロボの手は開かないので、パルサーショットのグリップの下の方に切り込みを入れて手にはめています。


パルサーショットのコードは抜き差し可能です。
穴は空けておらず、丁度いい隙間に差し込んでいます。


赤いビニルコードが肩の上から伸びています。
肘の突起を貫くように前方に向かい、手首に空けた穴から内側に抜けた所でビニル被覆がなくなります。

裸の細いメッキ線がほぐれながら腕に絡みつき、最後はまとまって胸の上部に刺さっています。


下半身にも赤いビニル線があって、足首前方から脚を前後に絡まりながら、腰の後ろに至っています。


そのほかにも裸銅線や、赤・緑・青に着色された細線を血管のようにあちこちに配置し、末端をうまく固定しています。


飾り台はプラスチック製で足裏に接着してあり、透明の素材を軍艦色で塗装してあります。
塗膜の薄い部分がありますが、意外と平気です。


コンピューターロボの骨格を様々なパーツでボリュームアップしてあります。
アクチュエーターは、ふくらはぎ、足首の内側、上腕にあります。


肘から手首にかけては極小部品が何種類も追加されています。


黄色い本体に隠れる部分も小さなジャンクパーツでボリュームアップしています。
左脇腹には3連ドリルのようなパーツが見えます。


両足首外側や左大腿に取り付けられたパーツは、ミサイル発射機内部のフックのような形状だと思うのですが、断定には至っていません。


昔のパンフレットには多数の改造品が載っていますが、この中でN氏の作品はこれだけだそうです。
ほかにも作家さんがいらっしゃったようですね。
現物と見比べると、パルサーショットのコードがかなり低く垂れ下がっていることに気付きました。
コードの先が抜けたままパンフの撮影をしたみたいです。
あとは当時のコンディションがよく保たれていることがよく分かります。

 ニューミクロマンの宇宙船マザーコスモスが地球にたどり着く前、アクロ星人との戦闘を助けてくれるミクロロボットはまだいなかった。ミクロマン自身が装甲を身に纏うか、簡易的なロボットを武装して戦っていた。
 やがてロボットの性能は急速に向上し、アクロ星人との戦闘を自律的に遂行可能なMシリーズミクロロボットが誕生する。続いて登場したRシリーズミクロロボットは、マスターピースによる遠隔操作とポジトロン大脳との連携が特徴で、合体機構によって巨大な敵とも対峙できる性能を持つようになる。ロボット工学の権威サラムが加わって開発されたAIを搭載したMCシリーズは、人型の形態に囚われない可変機構を備え、ミクロマンとしての自我を持っているかのような知的な振る舞いも見られる。
 ここで紹介した異次元戦闘用自律型ロボット試作機は、ミクロロボットの開発を目指して多数作られた試作機の一つである。ある惑星でアクロヤーの一団と鉢合わせとなったため、やむを得ず貧弱な武装のまま戦闘に参加していた。他のロボットは全てアクロ星人の攻撃で破壊されてしまったが、たった1機残ったこのロボットのコンピューターに戦闘データが蓄積されていたことにより、Mシリーズミクロロボットが完成したのである。

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