第1部 第5話 ■冒険王1982年11月号■
〈あらすじ〉 ミクロマンたちはたつやの家の地下に基地をつくってアクロイヤーとの戦いにそなえていた。 たつやはアロムに案内されて基地を見て回った。 研究室ではイリヤが中心になって新兵器をつくっているところだった。 イリヤはたつやにシートをかぶせると、いきなり火炎を浴びせた。 するとたつやは一瞬で球体カプセルに包まれてしまった。 そのシートは新しい合金で、普段は布のようだが熱を加えると球体に変化するうえ、温度が高ければ高いほどかたくなる性質をもっていた。 ほっと胸をなでおろすアロム。 達也が道を歩いていると、アクロイヤーのメカが2機飛来し、糸で手足を縛って連れ去った。 たつやはミクロバンドのボタンを押した。 異常をキャッチしたミクロマンは直ちに出動した。 たつやは古いビルで磔にされていた。 「殺すならはやく殺せ」とアクロイヤーに勝気なことを言うたつや。 「いまごろミクロマンはこの基地にむかっているはずさ」 「ここがわれわれの基地だと思っていたのか?ざんねんながらここは爆弾の中なんだぜ」 ミクロマンがビルに入ると、すべての出入り口がふさがれてしまった。 「ここにきちゃだめだ!!これはワナだよ!!」「たつやくん!!」 すると、ビルが大爆発を起こした。 「これでわれわれの地球制服をじゃまするやつはいない!!」 「はたしてそうかな!?」瓦礫の上を跳ね回る球体から声がした。 ミクロマンたちはイリヤのつくった合金に包まれて無事だったのだ。 オルガのミクロマンキックがアクロサタンに命中、ケンジとウイリのダブルアタックがアクロイヤーに炸裂した。 「やい、てめえらの基地はいったいどこにあるんだ。死にたくなければはくんだ!!」 その時、ケンジとアクロサタンのいた場所を何かが攻撃してきた。 とっさに飛びのいたケンジは、アダムスキー型円盤を目にする。 つづく |
〈第5話解説〉
舞台は前回の宇宙とは打って変わって、地上に戻りました。
足元も大切ですからね。
達也の家の地下にミクロマンが基地を築いたことが語られます。
基地と言えば、あきらくんの家にある「むてきのミクロ基地」を初めて見た時の感動を思い出しますが、こちらはミクロマンの商品の断片すら見いだせず、完全な漫画オリジナルです。
ニューミクロマンのカプセルでも載っていたら嬉しかったんですけどねえ。
イリヤの作った特殊合金のカプセルは、ガチャガチャの球形カプセルとそっくりです。
イリアかイリヤという問題がありますが、冒険王では完全に「ヤ」です。
主人公の名前もそうですし、「ヤ」がついた方が男子らしいかも知れません。
今号では平仮名で「たつや」と書くようになりましたが、普通なら漢字表記とどちらかに統一するところだと思います。
ついでに言うと愛称のタッチンと場面によって使い分けていますが、いろんな呼び方があって困惑することがあります。
私は途中から読んだのでタッチンの本名はテレマガにも出てくる「たかし」ではないかと思ったこともあります。
しかし結果的に初めから全部読むことができたおかげで、タッチンの本名はたつやで、達也と書くのだということまで詳しくわかってよかったです。
あきらくんの場合は、漢字表記がよくわからないために、プロフェッサーKとのつながりがはっきりしなくて問題が後を引いたことがありました。
11月号で致命的だったのは、新しい商品が全く出てこなかったことです。
出てきたのは、もう殆ど売っていない古い商品と、商品ではないオリジナルのメカだけです。
ミクロマンのおもちゃが命を吹き込まれて活躍する絵が見たい我々としては、あまり面白くありませんでした。
とはいえ、兵器の力に頼らないミクロマンの真の力を楽しむことができました。
「形状記憶合金」はプラモ狂四郎にも出てきましたが、当時の新素材を取り入れた意外な伏線を生かし、知恵と勇気で恐ろしい敵に立ち向かう戦い方はミクロマンの原点とも言えます。
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